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2020年梅仕事 土用干しの方法と記録

長かった梅雨も明け、猛暑日が続きますね。今年の梅仕事は異例の事尽くめでした。
暖冬で梅が出回るのが例年より早かった事、7月末まで梅雨が続き、なかなか干せなかった事。
ということは、早く梅仕事を始めた方は例年より、1ヶ月ほど長く塩漬けしていた例もあると思います。体感的にですが、塩漬けが長くなるのは私は良いことだと思っています。最長で1年以上漬けてから干したことがありますが、とても柔らかくまろやかに感じました。
毎年いろんな事があるのが、梅仕事の面白く飽きないところであり醍醐味です。

私の梅の干し方をご紹介します。
そのお家ごとに伝わる干し方があると思いますし、そうやって作られた梅干しの方がお口に合うはずですので、「うちと違うなあ」という方は今まで通りで良いと思います。

私はザルに直接梅を並べずオーブンシートを使います。
こんなふうにぐちゃぐちゃにしてから広げ、ザルに敷き、梅を並べて行きます。こうすれば、ザル以外のものを使っても干す事ができます。私は木製の大皿、カットボードも使います。熱のこもりにくい素材が良いでしょう。

塩漬けした梅は、皮が薄く破れやすいので、ビニール手袋をつけて優しく取り出し並べます。梅酢は軽く切るくらいのイメージで拭き取らずで、大丈夫です。


この大きさの違いは、左は2Lサイズ、右は4Lサイズです。出来上がりもだいぶ違うのがわかりますね。ちなみに同じ木になっていた、同じ南高梅です。

この斑点は梅を漬ける時点で茶色くなっていたものを、ハネずに無理やり漬けました。
少し見た目の悪い梅干しですね。しかし、熟しきっているので、食べると皮は極限まで薄く、果肉はとろとろに柔らかいです。とっても美味なのです。
減塩するとカビやすいですが、18%以上で上手に塩漬けしてあげるととても美味しい梅干しになります。

太陽の光が当たる場所で干しましょう。
3日3晩干して行きます、といいたいところですが…
夜露を当てると皮が柔らかくなりますが、寝ている間に雨に降られるのが嫌なので、寝る前に屋内にしまいます。

ですので、3日太陽に当て、家の中では埃がつかないようキッチンペーパーなどを被せれば良いでしょう。

3日というのは、「のべ」で大丈夫です。中日に雨が降ったり、用事ができたら、家でそのまま保管しておきましょう。

外に干している時、1日に何度か裏返してください。私は1回か2回です。
この時にオーブンシートを敷いていないとついつい皮が破けてしまうのです。

こちらは小梅の塩漬けです。赤紫蘇の梅酢漬けと干しています。

梅を漬けていた梅酢も一緒に太陽の光に当てます。右は白梅干しですが、ほんのりピンク色ですね。こちらは常温で保存出来ます。
左は潰れ梅の梅酢だったので濁っています。こちらは冷蔵庫保存です。

つぶれ梅も干しています。変色したもの、傷んだものの悪いところだけ切り取り、塩漬けをした梅の天日干しです。冷蔵庫に保存して、練り梅代わりに使います。

3日干した小梅です。赤紫蘇の色がうつっています。赤梅干しを作らなくてもこうやって一緒に混ぜながら干すだけで少し染まります。

3日目の梅の様子。
塩がふいて皮もパリパリですが、一週間ほど置くと梅のエキスが内部から上がりしっとりとした梅になります。

これが2週間後です。干した直後は皮が乾いたようでも、こんなにしっとりと梅に戻ります。

こちらは小梅の赤梅干し。赤紫蘇はまだ干しきってない状態ですが、こんな風に生ゆかりとして食べるのも美味しいです。
干しきってパリパリに乾いた赤紫蘇は、粉々にして「ゆかり」になります。

干し終わった梅は、常温で瓶、タッパーなどの保存容器に入れると良いでしょう。
梅酢とは別に保存しましょう。

梅酢は梅酢で、お酢代わりに、ドレッシングや、お酢飯、浅漬け、煮物に使えます。おにぎりを作る時に炊くごはんに入れたり、お弁当の防腐剤代わりにもなります。うがい薬に使う民間療法もあります。
また来年梅を漬けた時にカビてしまった時に、梅を消毒し、前年の梅酢に漬け直せばリカバリー出来ます。

梅干し自体ですが、私はなるべく新しい年から食べるようにして、半分ほど消費したら、残りは保存するようにしています。
3年目くらいの梅干しがちょうど良く、それ以降はどんどん丸みを帯びた味になってきます。

新しい梅は果実としてのフレッシュな美味しさが味わえ、出来立ての時だけのものですので、ぜひ召し上がってくださいね。

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