Day14. SORACOMのすごさと、私がSORACOMを好きな理由
※ひとりでIoTまるっとチュートリアル Advent Calendar 2018 14日目
目次
・MVNOとは
・SORACOMの凄さ
・SORACOMのサービス
・SORACOMが好きな真の理由
MVNOとは
SORACOMとは、平べったく言うと、MVNOです。というわけで、MVNOとはなにかから少し語らせてください。
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)は、大手キャリアの移動体(携帯端末など)の回線網を使って通信事業を行う事業者のことです。最近ではYahoo! Mobileだとか、mineoとか出てきましたよね。アレです。MVNO事業については、この記事がとてもわかり易かったです。(mineoに乗り換えようかな。。。笑)
MVNOが安い理由は、事業者本体の投資が必要ない点にあります。大手キャリアの基地局の余ったネットワークを借りて運用するので、大手キャリアように「つながらなかったらアンテナを立てる」なんてことはしなくていいのです。その反面、品質やカバレッジ・サポート体制は大手キャリアのほうがいいわけです。
とはいえ、MVNO事業を行うためには、ネットワークを制御しなければいけません。パケットの交換、回線の管理、帯域の制御など、サービスを行うに必要なサーバ(交換器)が必要になるわけです(正確には、L2事業者の場合です)。それだけでも数千万~数億の投資が必要と言われています。さらに、交換器にバリエーションがあるわけではないので、味付けが難しく、似たり寄ったりな事業所担ってしまいます。
SORACOMの凄さ
そこで、SORACOMが登場するわけです。SORACOMの最初のサービスSoracom AirとBeamのプレスリリースの一部を抜粋。
モバイル通信のコアネットワーク(パケット交換、回線管理、帯域制御など)とサポートシステム(顧客管理、課金)を、Amazon Web Services (AWS)のクラウド上に実装しました。
そうです、ハードウェアを持たず、クラウド上に実装したのです。Software Defined MVNO。初めてこの発想を聞いたときは感動しました。クラウドネイティブなネットワークサービスなので、通常のMVNOと違い、下記のようなことが実現できます。
・契約を柔軟に変えられる/使った分だけ請求する従量課金
・SIMをコンソール画面で集中管理/コントロールできる
・ソフトウェアだからこそのかゆいところに手が届くサービスが続々登場
こういうわけで、通常のMVNOと同等、それ以上のコスト感で、通常の大手キャリアと同等・それ以上の品質や自由度を担保するという、ウルトラCを成し遂げた通信事業者がSORACOMというわけです。3社の違いを図にしてみました。ご覧ください。
こちらの記事がとてもわかり易くていい記事でした。興味を持たれた方は是非お読みください。
※参考 : IoT開発をふつうにする「ソラコム」の破壊力~何を破壊し、何を作ろうとしているのか
SORACOMの技術群
SORACOM自体、オープンなカルチャーなのと、IoTブームに乗じて利用者が爆増していることから、あらゆるところで技術的な内容が書かれています。
アルファベット順に並べられたサービスも、Lagoonまで達しています。
・SIMを一括管理するAir
・閉域網でのHTTP通信をHTTPSにしてクラウドに転送するBeam
・閉域網のままAWSにつなげて通信するCanal
・特定のクラウドサービスに直接転送できるFunnel
・簡単な可視化できるサービスHarvest
・ダッシュボードが作れるサービスLagoon
などなど。これ、全部SIMの機能として付与されるんですよ?革命的じゃないですか?
そして最近、ハードウェアも出しましたね。
SORACOM LTE-M Buttonも、まさにかゆいところに手が届く製品になっています。この内容に関しては、Day15で事例として紹介します!
SORACOMが好きな真の理由
ここまでで十分SORACOMの技術的な凄さが伝わったかと思いますが、私SORACOMを推す理由は、そのマインドによるところが大きいです。
・開発サイクル 2週間に1回というスピード感
・名前やカラーリングなど、ブランディングにこだわりを感じる。
・徹底的な顧客目線。かゆいところに手が届くサービスをいつも提供する
・オープンな環境。イベントを頻繁に開き、様々な事業者との交流の場が設けられる。参加者みんなが楽しそう。
な弊社でも、このようなカルチャーを作っていけたらなと思っていて、いいなと思うカルチャーをちょこちょこと取り入れようとしています。
まとめ
IoTのサービスプロバイダとしては、技術的に感服することが多く、文化的には見習うところが多いSORACOM。今後更に拡大して、IoTというのが人々の身近なものになっていく一端を担うでしょう。
さて、SORACOMのスピード感を私も見習います!明日は、最近発売された"SORACOM LTE-M Button"を製造業で導入した事例を紹介します!
昭和と油と汗の匂いがする町工場と、IoTの最先端SORACOM LTE-M Buttonをどのように融合したのか、書いてみます。お楽しみに!ではではっ
前の日 : セキュリティエンジニアと考える「IoTのセキュリティ」
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