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『ボードゲームよもやま話』#6 ボードゲーム『カーネギー』の戦略は固定されているのか?

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2022年5月25日に日本発売されるというボードゲームの『カーネギー』にはこう言われることがある「『カーネギー』の戦略は固定されている」。今回はこの言葉を端緒にして、攻略的に色々と考えたいと思う。

■攻略が不要な方へ

今回の記事は『カーネギー』のプレイ戦略について細かく書いていくので、発売日の近いゲームに対して攻略に対して忌避感がある人はブラウザバックしてもらえればと思います。
基本的にゲームを攻略することは、そのゲームのプレイ寿命を無くしていくことにつながるので「自分の環境では前提知識として知らないほうが良い」と思う場合などあると思います。同卓者とまっさらな状態でスタートして、リプレイすることも想像出来る場合なんかは特に本記事は読まない方が良いと思います。

■ボードゲーム『カーネギー』とは

本記事では『カーネギー』のルールについては解説しません。ですが、そのルールについて知りたい場合はBGAのカーネギー概要で詳細に説明されている事を紹介しておきます。また、ソロのトレーニングモードが出来るので「動かしてみて理解」をし易いので、実際にやってみるのもいいかと思います。

カーネギー(Carnegie) • Board Game Arena

『カーネギー』はキックスターターでクラウドファンディングがなされたゲームです。それに先立ってBGAでゲームがプレイ出来るように発表されていまして、1年ちょっとの期間は「実ゲームは無いけれどネット上ではプレイ出来る」という状態でした。
「『カーネギー』の戦略は固定されている」という言葉が出てきた背景にはそういう流れがありました。

筆者であるイズミ個人としてはキックスターターの共同購入を決めて、それに前後してBGAで初プレイして、このほどキックスターターの実コピーを受け取ったのでルール確認のために再プレイしたという流れです。
面白いなと思ったのでソロで何度かプレイして、それを踏まえて今回の記事を書くに至りました。

追記
所々でルールブックに基づかない用語を使っている部分があります。「事業の建設」を「都市の建設」としていたりします。

■まず得点リソースについて

BGAスコア

自分のカーネギーをプレイした時のスコアは大体が150点前後でした。これがプレイヤーとして強いかどうかは別として、目安として設定出来るかと思います。得点行動として何が効率が良いかを考える目安と出来るかと思います。
まずは、カーネギーにどういった得点要素があるのか。どういった得点要素が効率的なのかを考えたいと思います。

得点計算

▼寄付

カーネギーの得点行動としては寄付がとても大きいです。条件を達成すると1ディスクにつき12点まで獲得できます。寄付するためにお金というコストを支払いますが、ゲーム中に行った様々な実績を得点元としてアディショナルで付け加えることが出来るからです。
また、お金さえあれば各アクションの最後に寄付がついてるためある程度の回数が実行出来る見込みがあるかと思います。

因みに寄付の評価は以下。

最初から置いて良い寄付
「都市ディスク」「住宅/商業ディスク」
条件を寄せるプレイを心がければ置いて良い寄付
「輸送力:鉄道」「お金+リソース払い」「リソース払い」*達成しやすい
12点にはならないが7点よりはましになりそうな寄付
「地域の都市」*1地域に6ディスク寄せる必要が無いという考え
よっぽど置かない寄付
「7点」*大体がこれより良いはず。
状況次第で取ると良い寄付or後半に置く寄付
上記以外*8~12点くらいになる事がある。これがあるため「地域都市」とかはそれほど積極的にならなくてもいいかも。

*基本的にソロゲーム、やっても3人ゲームなので4人になると評価が変わるかもしれません。

▼大都市間の接続


大都市間の接続では最大で36点を獲得できます。寄付で言えば寄付3回分。得点を獲得するための条件は「大都市間の接続」と「各地域の輸送力」で、プレイがなれないうちは見通ししにくく感じるでしょうが割りと達成しやすいです。

ブロッキングの懸念があるかもしれませんが、「全員をブロックするのが難しい」「ブロックするよりも自分の得点を伸ばすのが良い」「産業ごとの場所があるのでブロッキングしにくい」「ディスクは散りばめようとするとブロッキングできない」等々の要因で露骨なブロッキングが起きにくいのだと思います(要所みたいな場所はあります)。
ただし、4人プレイ時や「3点の都市に重複してディスクを置く」などの戦略に対しては未経験なので仮定としての認識です。

都市へのディスク配置自体に複合的に影響を与えます。寄付においての得点条件となったり、地域へのワーカーの配置(ボーナスの獲得)、即時ボーナスの獲得、得点のある都市などです。
つまり、大都市間の接続を目指す事はアディショナルで効果が得られるのでやった方が良く、ブロッキングもしにくい「だろう」ということです。

▼その他の得点要素

都市へのディスクの配置や、個人ボードへの部署の配置など様々ありますが、それ自体を得点リソースとして考えるべきではないと考えるのが妥当かと思います。

上の表を順に解説すると以下
・ゲーム中に獲得した点数
・アクション選択タイル(マックス3点)
・ゲーム終了時に立っているワーカー(マックス15点)
・獲得した部署タイル(マックス26点)
・事業タブ(マックス42点)
・大都市間接続(マックス36点)
・都市
・寄付

ざっくり言ってしまえば『カーネギー』の得点源として「寄付」「大都市間接続」の2つをメインとして考えれば良いというのが自分の考え方です。
理由としてはこの2つは複数の要素から成される得点だからです。大都市間接続は都市の得点も入りますし、地域にワーカーを派遣し収入ともなりますし、他にもいくつかの要素が絡み合っています。
寄付は様々なアクションによって盤上を開発する事によって得点する機会が与えられます。それにはお金を払う必要がありますが、そこを除けば得点する為の条件は寄付以前の時点でプレイヤーのプレイによって整えられています。

■お金が必要

さて、『カーネギー』の得点源を「寄付」「大都市間接続」の2つだと設定しましたが、この2つにはお金が必要です。特に「寄付」にはお金が多くかかります。また都市にディスクを置くには$2必要です。すべての大都市をつなぐのに12個程度のディスクを置くと仮定して$24ほどかかります。

▼寄付費用
(上がディスクn個目の値段、下がトータル)
1⃣$5 2⃣$10 3⃣$15 4⃣$20 5⃣$25 6⃣$30 7⃣$35 8⃣$40
1⃣$5 2⃣$15 3⃣$30 4⃣$50 5⃣$75 6⃣$105  7⃣$140 8⃣$180

▼ディスカウント部署使用時
1⃣$3 2⃣$6 3⃣$9   4⃣$12 5⃣$15 6⃣$18    7⃣$21   8⃣$24
1⃣$3 2⃣$9 3⃣$18 4⃣$30 5⃣$45 6⃣$63    7⃣$84   8⃣$108

▼都市ディスク
$2✕12=$24
都市にディスクを置くための初期部署ではワーカーを活性化するのに$2必要になります。

とりあえず「寄付」と「大都市間接続」で100点くらいを獲得を目標として、十全に条件を達成出来ると仮定するなら「大都市間接続」で36点。残り64点を「寄付」で賄うならば「寄付」を5回から6回実行することになります。それには上記の表では$130ほど必要となります。

ゲーム中にはワーカー起動の為にお金が必要な場所が他にもあるので、ゲーム中に必要なお金はもう少しあると考えられますね。

ここで言いたい事は『カーネギー』では得点を稼ぐためにはお金が必要であり、どういった収入源があるかを考えてく必要があるかと思います。

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