『ボードゲームよもやま話』#7 アクティビティなボードゲームについて。
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■アクティビティってなんだろう?
今回のお話はアクテビティなゲームについて。
多分これを読んでいる人は「アクティビティ?なにそれ?ボードゲームと関係あるの?」と思うかと思う。自分も「アクティビティ」と聞いて最初は「なんのことを言っているのだろう?」と思った。
それの表現の仕方を聞いたのはボードゲーム友達からでした。
「あのゲームはアクティビティだから楽しかったね」
という感じ。
最初は「アクティビティ」が何を指しているのか解らなかったので、そのボードゲーム友達の考える所の「アクティビティ」とは何かを聞き出す所から始めました。
例としてあがったボードゲームとして「テレストレーション」や「大喜利系ゲーム」等があった。
「テレストレーション」に関しては、絵を見てそれが何か当てるコミュニケーションと、描かれたお題の絵を即興で書かなければいけないという部分に楽しさがあり、ゲームの勝敗自体がそこまで重要視されない。
「大喜利系ゲーム」などはお題に対して良い答えを出してウケることや、他人が考えた答えを純粋に楽しむことがメインとなり、ゲームの勝敗についてはその結果に過ぎない。
こういった事柄を自分のボードゲーム友達は「アクティビティ」と表現していた。
■アクティビティを定義する
「アクティビティ」という言葉をよく耳にするのが旅行関連の分野においてだろう。辞書で調べて見ると以下の項目が出てくる。
さらに試しに「アクティビティ+旅行」で調べて見ると出てくるのが以下の通り。
スキーやスノーボードなど競技として勝敗をつける枠組みをつくる事は可能だけれども、勝敗がスキーやスノーボードの本質かというと違うと思う。つまり、こういった「アクティビティ」は勝敗とは別の所で「快」がある。
ボードゲームは場の状態を読み取って情報を吟味し、その情報から未来を予測して現在の実際の行動を決めるという「思考」の部分が主たるものだろう。そして、その過程に「快」がある。
例えば、得点行動と成長行動の2つの選択肢があってどちらが効果的かを吟味する。そこにはどれ位ゲーム時間が続くのか、得点はどの程度の規模でどれだけ勝利に貢献出来るかなど。まだわからない未来を予測して、それがうまく作用したと感じられた時に「快」がある。
ボードゲーム的な「快」とアクティビティの「快」は違うものだと考えられる。
簡単に言えばアクティビティの「快」はその行動そのものが楽しいというものだ。
先述のテレストレーションで言えば「絵を描くことが楽しい」「描かれた絵が何か当てるのが楽しい」「伝言ゲームの流れを後から確認するのが楽しい」といった感じとなっている。
そこにはボードゲームとして未来予測と行動選択の思考の面白さは薄くなっている。テレストレーションにも得点要素はあるがその基準は上手に描けたか、上手に読み取れたか、ちゃんと伝わったか、という結局は絵が上手いかどうかというスキルの巧拙でしかなく、ボードゲームの予測と選択を思考する部分はほとんど無い。さらに言えばテレストレーションでは、ウケた人に得点を与える人もいるのでより予測と選択は意味をなさなくなる。
つまりはこう定義付けることが出来るかと思う。
その行為・行動そのものが楽しく「快」のあるものが「アクティビティ」
アクティビティのゲームは行為・行動そのものに「快」がある要素をシステムの中に組み込んだものだと。
ただ、断りを入れておくと、このボードゲームにおける「アクティビティ」の定義はあくまで僕が自分で勝手に言っている事なので、ボードゲーム界の中の常識というわけでなもない。そして、もしかしたら別の名前で呼ばれている要素かもしれない。
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