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『ボードゲームよもやま話』自分なりに考える伝統トリテと現代トリテのそれぞれの特色
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■はじめに結論
今回は伝統トリテと現代トリテの違いについて考えていたことを書こうかと思います。
はじめに結論を言うと、伝統トリテに対して現代トリテは印刷技術によって独自のカードやコンポーネントで対応している事が特色だと思っています。伝統トリテについてはビットや切り札などトリテの進化の過程で生み出された要素の多くは現代トリテに引き継がれているが、多く見られるものとしてチーム戦の要素が多い。こういったものが伝統トリテと現代トリテの特色だと思っている。
一応、今回の記事の設定としてざっくりと言葉の意味を設定しておくと。伝統トリテは主にトランプなどを使用した歴史的なトリックテイキングとして設定。現代トリテは主にボードゲームの独自コンポーネントを使用した現代のトリックテイキングとして設定。こう断っておくのは詳細に語れば、この設定にあたらないトリテも多々あるから。
アナログゲームマガジンにはトリテを継続的に学んでいる秋山さんがいるので釈迦に説法な話題かもしれませんが書いていきたいと思います。
■トリテの「カード運」問題
トリックテイキングではカード運が強ければ簡単に勝ててしまえるという構造があります。各スートの上位ランクを全て独占していたらゲームをするまでもなく勝つ事がわかってしまいます。
トリックテイキングのルールの変化の歴史の軸としてこの「カード運」に対して「どのように対応していくか」という所がみてとれます。
書籍『トランプゲームの源流 第1巻トリックテイキングゲームの発達史』にはこうあります。
トリックテイキングゲームの発達史において最大級の発明の一つが切り札である。(中略)トリックテイキングゲームに切り札がなければ台札(リード)が圧倒的に有利となるので、ディールの後半に誰かが長いスートで走ると他のプレイヤーには阻止しようがなく、同じ人が立て続けにトリックを取ることになる。これではゲームの面白味が削がれてしまう。そこで台札スートでないカードでもトリックに勝つチャンスを与えることで誰かが長いスートで走ることを抑制するために切り札が発明されたのではないだろうか。あるいはもっと単純に、切り札のないゲームでは最高位の札が圧倒的に有利であるため、それを面白くないと感じた人がいたということなのかもしれない。そこで最高位のカードにさえ勝つカードとして切り札が発明されたのかもしれない。
切り札を考えついた人が『カード運』に対して明確に問題意識をもって改善をしたという事はないでしょうが、不明確な不満要素として捉えて切り札を生み出したのではないかなと思います。
切り札ですらトリテの最初期から設定されていたものではないというのが一つポイントかなと思います。
また、カードをランダムに配るので『カード運』をどうするかという問題はずっとトリックテイキングについてまわる問題となります。ランダムにカードを配るので、手札の強さを公平にするという事は不可能だから。
そして、その問題意識を意識的にせよ無意識的にせよ共有しているのでトリックテイキングのルール設定はその点に対応したものになっているように思えます。トリテの進化の歴史はそこが軸になっています。
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