BOHEMIAN RHAPSODY

Queenのリードボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画「ボヘミアンラプソディー」を鑑賞。この映画の上映を知って、僕は久しぶりにQueenの音楽をまた聴き始めた。思えばQueenは物心がついて初めて感動したロックではないか。子供のころ、家族と出かける車の中でいつも流れていた。特に印象深かったのは「We Are The Champions」。僕は乗り物酔いに弱く車内ではいつもへたり込んでいたけど、この曲が流れると何となく力が湧いてきたのを今でもよく覚えている。

高校に入ってバンドをはじめてまたQueenに熱中しだした。その時に一番心を奪われたのが「BOHEMIAN RHAPSODY」。詩的なメロディに酔い、オペラパートでは文字通り雷に打たれたような衝撃に襲われ、終幕へ向かうギターリフと歌の掛け合いで小気味よいカタルシスに貫かれた。「ロック」の一言では片づけられないジャンルの多彩さに圧倒された。

映画館の中では劇中のライブの客と同じように手を振ったり拍手をする仕草を思わずしている人がいた。それをしてしまう人はきっと自分がライブの中にいること(或いは実際にいたこと)を強くリアルに想像できるQueen世代だろうか。フレディの没後に生まれた僕には彼らのライブの中にいるイメージが全く持てない。僕が知るQueenは彼らが残した楽曲とライブ映像の断片にしか存在していなかった。まるで遠くに拝める神話の住人だ。

だけど、映画を観終えた後、Queenがリアルで身近な存在として感じられるようになっていた。世代を超えてQueenが僕の心に住み始めたみたいだった。帰り道、イアフォンを付けて曲を聴くと一緒に歌いだしたい程の共感が芽生えていた。劇中で最も印象に残った曲は「Keep Yourself Alive」。僕は”Keep Yourself Alive...” "Keep Yourself Alive..."と何度も復唱した。そうすると退屈で腹立たしい現実をぶち壊して、自分らしく生きられる場所を創れるような力が湧いてくる。

ロックに興味がなく、Queenのことも知らない人も、いやそんな人だからこそ、この映画でQueenの生き様と音楽に触れて確かめて欲しい。"自分がいま本当に生き生きとしているか"。これを謳い文句に身近な人に映画を勧めたいと思った。

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