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整形の話

美容整形に手を出してはや4ヶ月が経った。

昔から肉親に容姿いじり(顎無し!色黒!)をされて育った上、生来の怠惰と刷り込まれたカスルッキズムによりコンプレックスを全て容姿のせいにして生きてきた私は、風俗業界に入り多少の現金を手にして歓喜した。
これで整形ができる……!やったあやったあ
顎が小さいことと額が狭いことがコンプレックスだったので、早速カウンセリングを予約し、顎と額にヒアルロン酸を注入した。顎と額の大きさが人並みになれば自分に自信が持てると思った。

10分たらずの施術。終わってから手渡された鏡には、顎と額の大きさが人並みに整った自分がいた。
ふーん、綺麗。でもなんか違うなあ。
私は、コンプレックスを潰せば自分が自分でなくなれると希望を抱いてクリニックの扉を叩いた。なのにその幻想は10分で打ち破られたのだった。

そこで、いくら顔をいじろうと自分は自分のままであることを受け入れ、単純に新しい綺麗なパーツに喜びを感じて生きていければ良かったのだが、そうはいかない。
メンヘラなので。
もっと整形して自分の顔を変え続けなくては……!それしか私が私に満足する方法はない!

整形前より拗れた自意識。
その後、風俗業をやったり辞めたり時給制の水商売を齧ったりして容姿を他人にジャッジされることが当たり前の環境に身を置き、整形への意欲関心態度は急上昇。更に施術を重ねるのだった。

これまでした施術と、これからしたい施術

よく、「整形でどんな顔になりたいの?」「風俗嬢に整形は必要ないよ」「そのままで良くない?」と言われる。
その人たちの意見も理解できるし、私だって他人の顔に関しては本人がコンプレックスに思っている箇所も愛せる部類の人間だ。

でも【私だけは】そのままじゃ良くないんだよ。

なりたい顔なんてないし顔を変えたからって風俗での収入が上がるなんて思っていない。
ただ、ありのままの自分を愛せないなら、愛せる形に変えたい。
愛せる形に変えられないなら、変わろうと行動している自分をせめて愛したい。

弱いままで朽ちていく自分と共に生きていける程強くなれないな。
それなら、大嫌いな風俗業で自分を傷つけて削れた自己肯定感を取り戻す為に整形して、苦しいに酔っていたほうが自分を愛せる気がする。

この前友達に、君の潜在意識は不幸になりたがってる、って言われたことを思い出した。

まぁ深く考えたところで自己の解像度は上がるがメンヘラは治らない。
先日の関西コレクションを見た時、そんな余計なこと考えてないで顔なんて流行りに合わせてアップデートしとけば生きやすくなるんだなとも思ったので、深く考えず適当に。
整形ライフ続けていきます。

整形する人もしない人も分かり合って健やかに生きられる日が来るといいな。

ばいばーい


2024.8.12


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