蒐集家、久遠に出会う 第三章 二、速報
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年が明けて三日目になり、椛は朝から雑貨屋を開けた。ずっと昔に母が作ったエプロンを着て、二条が椛のいるレジの横で立つ。今日も二条を目当てにして訪れる客がいるだろうか。もちろん客が増えるのは嬉しいが、同時になぜか悔しさを覚えて、椛は横目でちらりと久遠を見た。
二条は相変わらず、スムーズに作業をしている。客の質問には丁寧に答え、レジを操作する動きも速かった。そして購入者からの反応も良く、かっこいいだの男前だの言われていた。
「いえ、わたしには性別など