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蒐集家、久遠に出会う

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馴染みの小料理屋「七分咲き」に集まっていた蒐集団体「早二野(はやにの)」のもとに、謎の荷物が届く。中に収まっていたのは科学の発展した異世界を発祥とした高度な知能を持つ人造人間・久…
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記事一覧

蒐集家、久遠に出会う 第三章 八、予期せぬ贈り物

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  騒動から一ヵ月半が過ぎたころに、二条元家の久遠は…

芳更悠季
2か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第三章 七、永遠に生きる

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  刑部姫の意図を、椛はなかなか呑み込むことが出来な…

芳更悠季
2か月前

蒐集家、久遠に出会う 第三章 六、最後の言葉

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  右腕を失い、鎖骨周りにも傷を受けていた二条は、そ…

芳更悠季
2か月前

蒐集家、久遠に出会う 第三章 五、怒りに身を任せ

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  駅を出て道路を渡っていると、黒い煙が一方向から流…

芳更悠季
2か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第三章 四、合流

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  ここよりずっと先にある久遠研究所へ、走って行くな…

芳更悠季
2か月前

蒐集家、久遠に出会う 第三章 三、友の隠し事

前の話へ 第三章一話へ 第一章一話へ  西日によって深い影の出来た久遠研究所の前で、彦根…

芳更悠季
2か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第三章 二、速報

前の話へ 第一章一話へ  年が明けて三日目になり、椛は朝から雑貨屋を開けた。ずっと昔に母が作ったエプロンを着て、二条が椛のいるレジの横で立つ。今日も二条を目当てにして訪れる客がいるだろうか。もちろん客が増えるのは嬉しいが、同時になぜか悔しさを覚えて、椛は横目でちらりと久遠を見た。  二条は相変わらず、スムーズに作業をしている。客の質問には丁寧に答え、レジを操作する動きも速かった。そして購入者からの反応も良く、かっこいいだの男前だの言われていた。 「いえ、わたしには性別など

蒐集家、久遠に出会う 第三章 一、もっと気楽に

前の話へ 第一章一話へ  その男は病室のベッドから身を起こし、広い窓の外をどこともなく眺…

芳更悠季
3か月前

蒐集家、久遠に出会う 第二章 九、分からない世界

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ  時々人が慌ただしげに通り過ぎる廊下に備えられた長…

芳更悠季
3か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第二章 八、二条元家は人を避け

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ  結局日記から探った二条にゆかりの地を探っても、肝…

芳更悠季
3か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第二章 七、居候新たに

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ  昼を回ったころ、椛は重くなった買い物袋を抱えて家…

芳更悠季
3か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第二章 六、久遠はいずこに

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ  なかなか寝付けなかった夜も過ぎ、姫路は起きてすぐ…

芳更悠季
3か月前
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蒐集家、久遠に出会う 第二章 五、技術の行き先

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ 『確かに姫路さんの言う通り、職人不足は深刻な問題で…

芳更悠季
3か月前

蒐集家、久遠に出会う 第二章 四、所員たちの願い

前の話へ 第二章一話へ 第一章一話へ  何とか姫路と彦根双方に話を付け、椛たちが久遠研究所を訪ねた翌日の夜には、「七分咲き」に彼らが来ることになっていた。カウンターをいそいそと拭き、椛は客人を出迎える準備を整える。店内には他に奥の部屋で作業する苫小牧しかおらず、あとの仲間は皆自宅でテレビ電話越しに話し合いの様子を見ると言っていた。スマートフォンの画面から、早速白神の声がする。 『別に姫路たちが何を言うかは興味ないんだ。ただ、きみが何かやらかすんじゃないかって気になってな