蒐集家、団結する 第一章 七、国蒐構の女
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日付が変わろうとする中、都内某所にあるビル周辺には野次馬が集っていた。道路に緊急車両が数台停車し、規制線の張られている現場を彼らは物珍しげに見ている。そんな群衆を掻き分け、女刑事はビル内に足を踏み入れた。通報から数時間、既に負傷者は搬送されたが、手遅れだった者もいたと聞く。この「楽土蒐集会」東京支部で起きた事件を調べようと、彼女は指定の茶色い制服に身を包み、早速現場検証に向かっていた。
襲撃によって多くの会員が死傷した部屋は、三階にあった。捜査