蒐集家、団結する 第三章 二、この素晴らしき世界
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果たして熊野たちは、この博物館に来ているのか。館内で足を進めながら、真木は疑問を頭に巡らせていた。一応治の提案は受け入れたが、無駄足になる可能性もある。白神が探す春日山についても同じだ。完成が近いなら、職員が最後の点検に来ているかもしれないが。
熊野たちが博物館の関係者であるなら、展示室以外にも探すべき場所がある。真木は廊下を進み、壁と同じ色の戸を見つける。不用心にも鍵の掛かっていないそれを開け、向かいの窓近くに熊野が立っているのを認めた。
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