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蒐集家、団結する

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昔に自分の宝物を取り返してくれた「蒐集家」を名乗る「天使」に憧れ、富岡椛は盗品を元の持ち主へ返すことを繰り返していた。ある日、友人の屋久島真木と共に蒐集をしていた椛は、窮地を蒐集… もっと読む
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記事一覧

蒐集家、団結する 第三章 八、蒐集家

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ  ライニアから無事に戻ってきた翌日の夕方、「早二野…

芳更悠季
9か月前
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蒐集家、団結する 第三章 七、それぞれの善

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ  後の作業を国蒐構の人々に任せ、椛たちはその場を離…

芳更悠季
9か月前

蒐集家、団結する 第三章 六、夢の跡

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ 「一体何が起きているんだい? 会長さんは何も知らな…

芳更悠季
9か月前
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蒐集家、団結する 第三章 五、完成へ至る道

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ  やがて辿り着いたのは、五階で最も博物館の出口に近…

芳更悠季
9か月前

蒐集家、団結する 第三章 四、悔いと希望と

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ  上手い具合に同行者たちともばらけ、ざっと館内を見…

芳更悠季
9か月前
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蒐集家、団結する 第三章 三、無縫者の最期

第一章一話へ 第三章一話へ 前の話へ  不気味なほど静かな館内を、白神は駆けていく。展示…

芳更悠季
9か月前
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蒐集家、団結する 第三章 二、この素晴らしき世界

第一章一話へ 前の話へ  果たして熊野たちは、この博物館に来ているのか。館内で足を進めながら、真木は疑問を頭に巡らせていた。一応治の提案は受け入れたが、無駄足になる可能性もある。白神が探す春日山についても同じだ。完成が近いなら、職員が最後の点検に来ているかもしれないが。  熊野たちが博物館の関係者であるなら、展示室以外にも探すべき場所がある。真木は廊下を進み、壁と同じ色の戸を見つける。不用心にも鍵の掛かっていないそれを開け、向かいの窓近くに熊野が立っているのを認めた。 「

蒐集家、団結する 第三章 一、楽土園

第一章一話へ 前の話へ  服をひどく濡らすほどでもない霧雨の中、椛は寒さで体を震わせつつ…

芳更悠季
10か月前

蒐集家、団結する 第二章 九、異世界入り

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  日光から話を聞いた数日後の朝、椛は仲間三人に手伝…

芳更悠季
10か月前
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蒐集家、団結する 第二章 八、受容の果て

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  展示室としては最上階である五階の一室にある部屋へ…

芳更悠季
10か月前

蒐集家、団結する 第二章 七、副会長の決意

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  その日、平泉は昼過ぎに自分たちの博物館へまっすぐ…

芳更悠季
10か月前
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蒐集家、団結する 第二章 六、魔法国家ライニア

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  本部突撃を決行した日の夜、椛たちは「七分咲き」へ…

芳更悠季
10か月前
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蒐集家、団結する 第二章 五、潜入捜査「楽土園」

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  新しい部下には、申し訳ないことをしてしまった。そ…

芳更悠季
10か月前

蒐集家、団結する 第二章 四、人事異動

第一章一話へ 第二章一話へ 前の話へ  東京支部の襲撃以降、「楽土蒐集会」が絡む日本での大きな動きはなかった。既にこの国から撤退したのではという話も、所沢は近ごろよく耳にしている。そんな折、所沢に辞令が下った。今いる部署から、「『楽土蒐集会』捜査部」へ異動せよと。  通常なら四月か九月に言い渡されるはずの辞令も、特定の蒐集団体摘発を目指して設立される捜査部となれば、十一月の今でも出される。その日の朝に所沢が向かったのは、東京にある国際蒐集取締機構日本支部の地下三階だった