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「酒づくりの営み」三和酒類(大分県宇佐市辛島)訪問記 3/3

醗酵文化すべてを体感できる三和酒類

大分県宇佐市にある三和酒類。
昭和47年に4つの酒造会社が企業合同し、麦焼酎、日本酒、ワインを製造する企業になりました。
本格麦焼酎いいちこを筆頭に今ではビールも醸造しており、もはや三和酒類に造れないお酒はきっとないはず…

そんな三和酒類へIMADEYAのスタッフで研修に行ってまいりました!
研修で学んだこと、感じたことを三部作にわたって紹介していきます。

第三部のテーマは【虚空乃蔵(日本酒とビール)】

今回のレポートは角谷くるみがお送りします!

大分に導かれた旅


私たちが大分に降り立った6月中旬、梅雨入り前の貴重な快晴に恵まれました。
大分に到着してからは来年就航予定の水陸両用の乗り物「ホバークラフト」の試験運転の様子を見ることができ、さらに驚いたのは美しい白鷺が目の前を優雅に舞うという出来事が。
大分に歓迎されているのだと感じとても嬉しいスタートとなりました。

訓練中のホバークラフト

飯米「ヒノヒカリ」

三和酒類が醸す日本酒「和香牡丹」。
フラッグシップである純米吟醸に使用されているのは飯米のヒノヒカリです。
ヒノヒカリという名前の由来は西日本(九州)を表す「日」とお米が太陽のように光輝く様子からだそうです。飯米として食べるとあっさりしているのに弾力があり食べ応えがあります。

実はこのヒノヒカリ、栽培されている場所が面白いのです。
自社農園の大見尾圃場では安心院ワイナリーで使われるぶどうたちが栽培されているのですが、その真横にヒノヒカリの田んぼがあります。
青々とぶどうの樹が茂る横で、水を張った田んぼがきらめいていました。

ヒノヒカリの田んぼ。奥にはぶどう畑が広がります。

和香牡丹 純米吟醸 ヒノヒカリ

大輪の牡丹のエチケットが印象的。

お酒はチリチリとした微発泡、飯米とは思えない華やかな吟醸香がありスイスイと進む味わいです。

和香牡丹 天衣スパークリング
瓶内二次発酵で醸され、きめ細かい泡、ほどよい酸味に柔らかなお米の質感が非常にバランスよく、おひたしやはまぐりのお吸い物など繊細なお出汁のお料理と完ぺきな相性でした。

シャンパーニュではこうはいきませんね。

酒造りを体験できる虚空乃蔵

すべてがミニマムサイズ!しかし本格的な醸造設備が備わっています。

かつて三和酒類の本社があった虚空乃蔵。
現在、ここにはとってもミニマムでかわいい醸造所があります。
三つの役割があり、一つは併設されている店舗限定のしぼりたてのお酒を造ること。
二つめは試験醸造を行う役割。
そして三つめは、一般の方と日本酒造りをする場所!
ほんの少し体験する、だけではなく精米から麹造り、搾るところまで全部を体験することができるのです。これには本当に驚きました…私もやりたい!

成分分析や温度管理ができる機器や特注サイズのヤブタまで、ちいさいけれど丁寧に酒造りができる設備がしっかりと整っています。

特注サイズのヤブタ。
併設されている店舗ではここで絞られたフレッシュなお酒を飲むことができます。

オーダーメイドで造ることができるので、味のイメージや合わせたい食材を伝えれば好みに合うように設計してもらえます。

私たちの生活に欠かせない醗酵文化をまるごと体験できる、唯一無二の場所です。
「お酒っておもしろい」を全身で体験できる場所。なんてすばらしいのでしょう。

また虚空乃蔵にはビールの醸造所も併設されています。

ビールの醸造所 麦の蔵

麦芽は焼酎「西の星」でも使われているニシノホシ。日本酒のもろみや麹を使ったりもするそうです。
いろいろなお酒を醸造しているからこそできることですね!

今回試飲させていただいたのは三種類。
ニシノホシを使った「ニシノホシエール」
宇佐産のゆずを皮まで使った「柚子エール」
和香牡丹の酒粕を使った「春エール」

三和酒類だからこそできる独自のフレーバー

どれも個性が光り、おつまみのお肉と柚子胡椒もおいしくて暑かったのもあり全員あっという間に飲み干してしまいました…笑
私は麦の旨味がしっかりあるニシノホシエールがお気に入りです!

八幡宮の総本宮 宇佐神宮

宇佐神宮

宇佐神宮は4万社あまりある八幡さまの総本宮です。
上宮祈祷殿にてご祈祷をさせていただきました。とても美しい神社で、ピンと張り詰めたような神聖な空気。でも訪れる人々を温かく迎え入れてくれるような優しさも感じました。

現在、令和7年に10年に一度の勅祭斎行と御鎮座千三百年の佳境を迎えるにあたり勅使門の工事が行われています。
そのため通常とは違う場所でご祈祷を受けましたが、普段なら通ることのできない場所を歩かせていただきいい経験となりました。

御神酒。

神様に呼ばれる、という話を聞いたことがあるのですが、今回まさしくそう感じたいくつもの出来事。私たちが進むべき道は間違っていないのだと神様からそっと背中を押されているような心地がしました。今ひそかに胸に抱いている目標にぶれることなく邁進していこうと強く決心した日となりました。

今回の三和酒類研修メンバー

二日間お世話になりましたが、三和酒類の皆さまから共通して感じたことは、地域への貢献、未来への希望、誇りをもって仕事をしていらっしゃることでした。

お酒を我が子のように見つめ、大切に育てている皆さまから生まれたお酒はいつも私たちに寄りそい癒しを与えてくれます。

ますますお酒を、大分を好きになる旅でした!
ありがとうございました!

虚空乃蔵の前で集合写真。
ありがとうございました!!


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