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高橋智也という名将

みなさんは
『高橋智也』
という男をご存知だろうか?

この名前にピンときた方は相当なラグビーフリークだろう。

写真真ん中が高橋監督

普段は岩手県立一関工業高校で体育の教師として勤務している。
しかし、彼はこの2年
『高校日本代表』
の監督として日本の高校ラグビー界においてとても重要な役割を担う男。

監督になる以前から東北を中心に日本のユース世代の代表のコーチなどは務めていた。

そして昨年から『高校日本代表監督』という重責を背負い、先日まで行われていた『高校日本代表アイルランド遠征』に行っていた。

U19アイルランド代表と2試合し1勝1敗。
負けた最終戦も1点差という大接戦だった。

残念ながら三戦全勝とはならなかったが、素晴らしい戦績。

これは高橋監督以下、コーチ陣・スタッフの努力、何より選手達の頑張りによるもの。

さて、前置きが長くなったがここからが本題。

なぜ僕が高橋智也監督を名将だと感じるのか。

もちろん、先ほど書いたような今回の遠征で素晴らしい成果を残してくれたということもあるが、理由はそれだけではない。

今年のチームが始まってから、僕はいくつかのキャンプに帯同してきた。

高校日本代表は遠征スタッフ以外にも多くのスタッフが関わり合いながら進んでいくチーム。

コーチやスタッフ同士が意見をぶつけ合い、時に監督自身も意見を言ったり言われたりしながらチームが成果を出せるように進んでいく。

そんな多くのスタッフ・意見をまとめ、マネジメントするのが監督の重要な仕事。

自分の得意不得意を知った上でどうマネジメントしていくか。

そのためにはまずは自分を知る事が大切。

高橋監督はよく自分を理解した上でそのマネジメントを行っていたように感じる。

自分の強み弱み、得意不得意を理解し受け入れることは容易ではない。

それができているという点だけにおいても、高橋智也監督は「いい監督」であると言える。

さて、高橋監督は前述の通り、このカテゴリーでの指導経験は豊富な監督。
しかし、監督という役目は今年が2年目。
昨年は遠征が実施されなかったため、実質今回が監督として初めて遠征に行く。

本人に確認したわけではないのでなんとも言えないが、期待やワクワクと同時に、おそらく不安も大きかったと思う。

そんな中、高橋監督自身が自分の嫌なところにもしっかりと向き合い、常に成長し続けていた
(年下の僕がいうのも偉そうなんですが、、笑)

これが僕が高橋監督が名将だと思う最大の理由。

高橋監督を一言で表すなら

『愛と尊重の男』

周りからどんな意見を言われても、その意見を尊重し受け止める。

そして意見を言った人、言われた人のことを気遣い愛で包み込む。

そんな監督。

時にそれが
「もっと自分を主張すればいいのに」
「監督の意見は」
というような不満につながることもある。

でも、それが高橋監督の良さなのだ。

しかし、それだけでは名将とは呼べない。

僕が高橋監督の凄さを感じたのは2023年に入ってからのキャンプ。

それまでも、もちろん完璧ではないかもしれないが、コーチに任せる事、任せ方、タスク管理についてすごくいいマネジメントをしていたと思う。

でも、直前合宿に入ってからは、それまでの姿とは違い、腹を括り『愛と尊重』を持って言わなければいけないこと、妥協してはいけないことを言うようになった。

例えば練習メニューを決める際、コーチが提案してきたメニューに対し
「ゴールは?」
「どういう状態で練習が終わればいい?」
というような問いかけが増え、どんどん突っ込んで聞くように
なった。

僕やその他のサポートメンバーの意見に対しても直前合宿までの姿とは違い、全てをそのまま聞くのではなく、惑わされることなく
「今このチームに必要なことは何か?」
を考えた上でしっかりと取捨選択していた。

コーチ陣や選手に対するアプローチも「優しさ」の中に「基準の高さ」を求めるようになった。

「基準の高さ」を求めること。
当たり前と思われるかもしれないが、分かっていてもこれができるかどうかはかなり難しい。

みんなが気持ちよくプレーしたり、仕事したりすることだけを考えるなら、もしかしたらこのアプローチはそれを反対の状況を作る事がある。

組織の中でカオスが起きることもある。

その状態を恐れ、なかなかアプローチできない監督もいる。

でも、高橋監督はみんながやりきったと思える事の大切さは理解しつつも、本来の目的である
「Beat Ireland」
というチームの目的を常に意識し、自分がやりたくない事にも目を向けて、それまでとアプローチは変わらなくても、要求する基準を上げた。

それまでも僕は高橋監督を「いい監督」だと思っていた。
(繰り返しになるが、年下の僕がいうのは偉そうなことは百も承知。。笑)

でも、遠征直前合宿での変化していく様子を見て、
「あとは結果が出れば名将になるんじゃないか」
と思った。

つまり
「覚悟が決まったな」
「勝負師になったな」
と感じたということだ。
(繰り返しになりますが、偉そうでスミマセン。。)

そして遠征第二戦のアイルランドU19との初戦で見事勝利した。

高橋監督は名将の仲間入りをしたのではないかと思う。

結果を出せば良いわけではない。
でも、名将と呼ばれるためには結果も必要。

僕は間近で見ていて資質も結果も名将と呼ぶに相応しい監督になったのではないかと感じた。

ここからは少し話が逸れます。

人は自分次第でどこまででも成長できる。
その方法は一つではない。

でも、唯一共通するものがあるとするなら
「逃げない」

こと。

自分の弱点や組織の問題点から目を逸らす事なく向き合い、アクションする事。

それをできる人が成長するチャンスをもらえ、高みに行ける。

最後は話が逸れてしまったが、いずれにせよ皆さんには

「高橋智也」

という名将の存在を少しでも知ってもらいたい。

偉そうにダラダラと書き連ねたが、言いたかったのはシンプルにそれだけ。

高橋監督以下、第48期高校日本代表の皆さん、アイルランド遠征お疲れさまでした!

感動をありがとうございました!!

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