見出し画像

持続可能な組織づくりと人材育成

中産連 2020年度 人材育成フォーラム

先日(2019年12月18日)、一般社団法人 中部産業連盟さん主催の「人材育成フォーラム」に参加してきました。
当日のプログラムは、下記の通りでした。

開会挨拶 「2020年度 人材育成事業について」
     中部産業連盟 小川 勝美 氏
基調講演 「残業学 - 長時間労働はなぜ生まれるのか?
     組織開発でいかに解決するのか?」
     立教大学 経営学部 教授 中原 淳 氏
企業事例① 「オムロンのイノベーションマネジメント」
     オムロン株式会社 石原 英貴 氏
企業事例② 「メンバーの気づきと組織の自走を促すCKI活動」
     キヤノン株式会社 小西 大輔 氏

中原先生の名古屋での講演は少ないので、もちろん楽しみにしていましたが、オムロンさんとキヤノンさんの取組みにも以前から関心があり、参加する前からワクワクしていました。

オムロンさんの事例から

イノベーション推進本部 プロジェクトマネジメント室長 石原 英貴 氏。
オムロンさんの誕生から現在、そして未来に繋がるお話を、具体的にお聞きできました。その中で、私の心に残ったことを、以下に列挙してみます。

■ 全体と部分 役割を分けつつ、全体を上手に管理されていること
■ 外部の力(違い)を喜んで受け容れ、自社のために活用していること
■ 人材育成のための能力開発指標を、自社の言葉で作り、運用していること

オムロンさんは、イノベーションを継続して起こし続けるために、とても貪欲だと感じました。そのための中長期スパンの組織づくり、人材育成であり、結果として「人が人として、とても大切にされている」と感じました。

キヤノンさんの事例から

人事本部 人材・組織開発センター部長 小西 大輔 氏
まず、KIKnowledge Intensive Staff Innovation)についての解説を、ついでキヤノンさんでの導入とCKIの全社展開について、お話ししていただきました。以下に、私の心に残ったことを列挙してみます。

■ 社内コンサルタントを育成していること
 誰か一人の名人芸に終わらせず、組織として仕組化・標準化していること
■ 課題解決とコミュニケーションの両方を大切にしていること
■ コンサルティングのフォローアップを大切にしていること

「持続可能な組織づくりとは、こういうことなのだな」と、感じました。
また、目に見えないこと、集団の中で起きていること、人と人とのコミュニケーションに光をあてられる人材を育成し続けていることに、組織としての本気さを感じました。

立教大学 中原 淳 先生の講演から

「これは『世直し』である」
「社会課題を解決しましょう」
そんなフレーズが飛び出したこともあり、今回の講演では中原先生の「使命感」のようなものを感じました。たくさんのメッセージを受け取りましたが、特に私の心に残ったことは、下記の通りです。

■ 長く働き続けられる社会(=持続可能な働き方が出来る社会)
 「介護離職のない社会を実現する」
■ 60時間/月以上の残業は、「能力開発」を阻害する
 1 職場外での学習ができない、また読書もしない
 2 フィードバックが得られない
 3 内省ができない
■ 60時間/月以上の残業は、「働く意欲」を下げる
■ 残業が60時間/月以上の層で、「健康リスク」が増す
■ 残業を抑制するための2つのポイント
 1 外科手術ー時間の境界の明確化
 2 漢方治療-職場ぐるみの組織開発
 そして、外科手術だけだと、状況は悪化する…
■ 数字は現場を変えない
 現場を変えるのは、「職場ぐるみの改善活動=対話」である

職場ぐるみの改善活動において、「ねぎらう+感謝する」ことが重要だ、と言う話にとても共感しました。 「○○がダメです」と言われたら、やる気を失いますし、抵抗勢力を作りますからね…

また、今回の講演でも、たくさんのデータを示してくださった中原先生ですが、「データを使って、対話を促す」ことを強調されていました。 「見える化」と「ガチ対話」ですね。 その上で、「未来づくり」へ向かうわけです。

中原先生は、「データの解釈」や「ズレを見せる」と言うことに、強いこだわりをお持ちのようだとも思いました。 「他社」や「他部署」と「私たちの職場」の間の数値の差異=ズレを提示して、考えさせることを大事にされているということです。解決の糸口は、「私たちができていること」すなわち「私たちの強み」です。 強みをてがかりに、課題解決の道筋を立て、未来づくりへつなげよう、と言うことと理解しました。

私は、中原先生の講演を振り返る中で、もう一つの「ガチ対話」の可能性を考えていました。
当事者の皆さんが、他との「ズレ」を発見し、認識した際に何を感じるのか、そこから「私たちが本当に実現したいと願っていることは何か?」と、「私たちが『当たり前』と思い、疑っていないことは何か?」について、真剣に対話することです。

もしかしたら、「職場の問題」そのものがガラッと「皆で取組みたいこと」に書き換わり、困ったことが生じる都度、当事者だけで解決できるようになるかもしれないな、と思っています。

ちょっと宣伝(^^)/

名古屋で「ホラクラシー ~ティール組織の一形態~ について学ぶワークショップ」を開催します。

組織の変革や組織開発について話していると、
 「ティール組織は、日本向きではない。実践できない」
 「ホラクラシーは、決め事が多くて不自由そう…」
 「ていうか、ホラクラシーってなに?」
そんな声をよく耳にします。

今回のワークショップでは、ホラクラシー・ワン認定ファシリテーターである 吉原 史郎 氏 と 黒田 俊介 氏 を講師としてお迎えし、ホラクラシーに関する実践的かつ具体的なお話をお聞きします。

日時:2020年2月15日(土)13:00~17:00 (12:30開場)
 12:30~ 開場 受付開始 
 13:00~ 主催者挨拶
     講義:ホラクラシーとは何か?
     体験ワーク または 対話
 ~17:00 終了
 ※ 予告なく変更になることがあります。 ご了承ください

会場:中京大学 1号館 4階 141教室
 (名古屋市昭和区八事本町101-2)
 名古屋市営地下鉄 名城線・鶴舞線 八事駅下車(5番出口)
 https://www.chukyo-u.ac.jp/information/access/

講師: ホラクラシー・ワン認定ファシリテーター
 吉原 史郎 氏
 黒田 俊介 氏

参加費:12,000円 (早割 1月15日まで:10,000円)
 (チケットは peatix からどうぞ!)

対象:
 1 “成果も人も大切にする“次世代型組織づくりに
  興味・関心をお持ちの方
 2 ティール組織・ホラクラシー組織について
  具体的に知りたい方
 3 自主的・自律的なチーム運営を支える組織の
  約束に興味・関心をお持ちの方

ワークショップのねらい:
 1 事例から学ぶ
 2 理論から学ぶ
 3 自らの実践につなぐ

”成果も人も大切にする”次世代型組織「ホラクラシー」。
一緒に学びませんか?

この記事が参加している募集

いまここプラス