【イベントレポート】効率的な練習と学生主体の組織づくり|全国トップレベルチーム、筑波大学男子ハンドボール部に学ぶ。(イマ.チャレ オンラインプログラム)
学校スポーツジャーナル製作委員会の櫻井です。
昨日イマ.チャレオンラインプログラム第一回を開催しました!
オンラインプログラムの動画はこちら
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<テーマ>
効率的な練習と学生主体の組織づくり
全国トップレベルチーム、筑波大学男子ハンドボール部に学ぶ。
<ゲスト>
・筑波大学男子ハンドボール部 藤本元 監督
・筑波大学男子ハンドボール部 朝野翔一朗 主将
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昨日のイベントでは、「効率的な練習」と「学生主体の組織づくり」について、どのようにそれを実現しているのか、そもそもなぜそのような取り組みを行うのか、を深掘りしていきました。
以下に特に印象に残ったポイントを共有します!
(note掲載にあたり、少し各登壇者の発言を要約・修正しております。)
※「全国のすべての教育関係者・スポーツ関係者に見てほしい」と思える内容でしたので、お時間があれば是非動画をご覧ください!
■チーム練習は週6時間
稲垣:週に6時間(90分×4)のチーム練習とのことですが、これだけ練習時間は短くて不安にはならないですか?
朝野主将:高校時代までは1日に3~4時間の長時間や、一日練習もしてきたので、最初は違和感はありました。ただ、今はそれが当たり前ですし、選手自身もこれがいちばん効率の良いやり方だと理解しているので、今はこれが合っていると思っています。
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稲垣:どのような意図でこの練習時間にしているのでしょうか?
藤本監督:理由は2つあります。
1つは「練習すればするほど疲労が溜まり、怪我が増える」ということです。これまでに日本リーグの実業団チームでもコーチをしてきましたが、大切な試合の時に選手が揃わないこともよくありました。やっぱり良い状態で全員が揃った状態で試合をするのがいちばん良いです。
もちろん練習時間が長いことはある時期では大切なこともあると思いますが、それが全てではないと理解しています。
もう1つは「練習が少ないと選手が頑張る」ということです。もちろん選手自身が「もっと練習したい」という声もよく出てくるので、本当に必要なときはやりますが、選手自身が「もっとやりたい」という気持ちが生まれてくることも、短い練習の利点だと思います。
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■学生アスリートにとっての「日常」「非日常」
稲垣:イマ.チャレの特集記事の中で、「学生にとって部活動の時間は『非日常』である、学生にとっての『日常』は学生生活や家族の時間、プライベートである」というコメントが印象に残っています。その点についての詳しいお考えを教えていただけますか?
藤本監督:例えば大震災など、いろいろな災害があったときに、部活動はやらないし、やれないと思うのですね。やはり日常が整って初めて、我々はスポーツが出来る。これはコロナ禍でも同じだったのではないでしょうか。
ただそのような状況のなかで、「動きたい」「ハンドボールしたい」となって(非日常の)スポーツをやると、そこでいろんなものが発散されて、また日常に戻る。そのサイクルが大切なのかなと常々思っています。
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■多様な活動の中で、選手1人1人の個性が活きてくる。お互いを認められる。
稲垣:「競技だけに集中しろ」という空気だと、競技が上手い人は認められるけど、競技レベルが下の人や学年が低い人は認められづらいですよね。
ただ多様な活動があると、それぞれの活動の中で活躍する人(例えば、配信など)が出てきて、お互いを認められるのかなと思います。その点はいかがでしょうか?
朝野主将:筑波大学男子ハンドボール部は学生主体でやっているので、選手がコート外で1人1つ仕事(役割)が与えられています。なので、試合に出ていなくても、「このチームのために頑張っている」という自覚を持っている選手が多いと思っています。
コート外でもいろんな活動をやっていますが、「上手い選手が威張っている」という風景はこの部活では見たことはありません。
「この選手はこういう良いところがあるよね」「こういう仕事がすごいよね」と、互いを認め合いながら活動出来ていることはすごいところだと思っています。
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■部活動を改革・改善していく上で、まず何からスタートすれば良いか。
稲垣:部活動の改革・改善は何からスタートすれば良いのでしょうか?藤本先生が筑波大学に来られて、まず1歩目は何から始められたのでしょうか?
藤本監督:僕が最初から全部つくった訳ではありませんが、まず脈々と受け継がれてきたこの大学・この部の良さを観察しながら、これからのスポーツの在り方を考えてきました。
何かを変えていくことには勇気がいりますし、伝統のある部であればいろいろな批判もあると思います。
ただ「その日の練習をどれだけクオリティ高くできるか」ということをいつも考えてきて、そこから「選手たちが(自主性を持って)自分たちで上手くやっていけるように」という方向性に行き着きました。
私が全国の部活動指導者の方にとっていちばん大切かなと思うのは、「その日の練習を指導者として良いものに出来るか」という点です。結局はその積み重ねでしかありません。
毎年やってきたことを何となくずっと続けていくのではなく、選手たちに様々な刺激を与えながら、チームを組み上げていくことが大切だと思います。それが1つ。
またもう1つは、チームがだんだん充実してきた場合、(ハンドボールは特に球技なので)選手が主体的になったほうが競技力が上がるということです。そこで徐々にチーム運営も(選手が主体的に動けるように)変えてきました。
稲垣:「チームを学生主体の組織にしたい」と思って変えたというよりも、「目の前の練習の質をどう高めるのか」という点を追求した結果、いまの形に行き着いたのですね。選手視点ではどうでしょうか?
朝野主将:選手側としても毎日生き生きとして練習に来ているなと思います。「365日メニューが同じ日は一度も無い」と言われるほどで、
コーチ・スタッフの皆さんもメニューをすごく考えているのが選手に伝わるので、それが上達に繋がっているのかなと感じています。
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■藤本監督、朝野主将が考える「理想の学校スポーツの在り方」
稲垣:学校スポーツジャーナル「イマ.チャレ」では、これからの時代における学校スポーツの在り方をみんなで考えていくことを1つのテーマにしています。
最後に、お二方が思う「理想の学校スポーツ」の在り方をボードにご記入いただけますでしょうか?
朝野主将:「心身ともに充実した部活動」が良いなと感じています。
藤本監督:朝野選手とかぶりましたね(笑)
指導者として、どれだけその日を充実させられるか。
「充実」というのは良い部分だけでなく、モヤモヤも含めて、その日にどれだけ彼らに新しい刺激を当てられるか、ということです。
朝野選手も先ほど言っていましたが、生き生き活動している学生に対して、文句を言う人はあまりいないのではないかな、と思います。
稲垣:藤本監督、朝野さん、ありがとうございました!
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上記に掲載したものはごく一部で、他にも参考になるお話ばかりでしたので、お時間があればぜひ動画をご覧ください!再度動画リンクを貼っておきます。
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学校スポーツジャーナルイマ.チャレ第2号(2021年10月発刊)に掲載されている特集記事はぜひご一読ください!
(文:学校スポーツジャーナル製作委員会・櫻井)
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■次回のオンラインプログラム
次回は2021年 12月 18日(土)14時〜16時に開催します!
こちらもぜひご参加ください!
筑波大学ADが思い描く学校スポーツの未来
(筑波アスレチックデパートメント×アチーブメント株式会社)
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