見出し画像

【霎時施】ことさめときどきふる『憧れのドームハウス』霜降/次候🍀


小松空港から加賀方面へ車を走らせると、半円形のコロンとした形をした建物が見えて来る。
中心に立つ事務所の建物も半円形のドーム型、その周りにいくつも丸いコロンとした小さなドームがいくつもポコポコと建っている。
「あれ、なんだろうね?」
夫ヨッシーさんに聞いても
「さぁねぇ。何かなぁ」
とあんまり興味無さそう。


加賀方面にひとりで仕事に出かけた帰り道、もう我慢しきれなくなった私は咄嗟にハンドルをきった。
そしていきなり、お邪魔した。
「すみませぇ〜ん、あの丸いかわいい建物何ですか?」
出てきた事務員のお姉さん、いきなりの訪問者にちょっと驚いた様子だったが、親切にパンフレットを渡して下さった。
「ジャパン、ドームハウス?」
「中、見ます?」
「見ます!見ます!」
「本当は、電話かネットで予約入れて頂くんですが、今なら私、時間あるんでご案内しますよ」
「えぇ〜いいんですかぁ?」
そんなことを言いながら、もう見る気満々、図々しいのがオバサンの特徴である。


外観の丸いフォルムからして既にワクワクしていた私だが、中を見せて頂いた途端、気に入ってしまった。
直径7m、高さ3mのサイズの丸い形の中に、居間やキッチン寝室にお風呂まで完璧に揃っていた。
何と壁は発泡スチロールを圧縮した素材で出来ているとか。
パンフレットを見たら店舗にも利用されていたりして、どのお店も個性的ですごく素敵だった。


帰るなりヨッシーさんに、中見せてもらったんだよ、と報告。
「エッ、いきなり?」
「うん、謎を謎のまま置いとけなくって。この手が勝手にハンドル回したんだ」
呆れ返ったヨッシーさん
「そのファイト、何故、営業力に活かせないのかねぇ」
仕事上でもボスのヨッシーさん、ちょくちょくこんな嫌味を言う。
公私の境い目がないのが、自営業の悲しい性。
そんな嫌味にめげる私ではない。
「一緒に見に行こうよ」
「いいよ、やめとく。見てどうするんだ?行かない」
結局、拒否られた。


でも、どうしても、この感動を誰かと分かち合いたい。
「そうだ!」
次の週に友人とランチの約束があった。
行くのは加賀方面のお店。
「ちょっと早めに行こう」
と誘う私に何の疑問も持たずに助手席に座る友人Kちゃん。


ドームが見えてきた辺りで
「あの丸いの何か知ってる?」
「知らんけど」
全く興味なさそうなKちゃん。
またまた、いきなりハンドルをきる私。
「どこ行くん?」
目がテンのKちゃんを「どうぞ、どうぞ」とまるで自分の会社のように案内する私。
店舗バージョンを見たKちゃん
「いいねぇ」
「でしょ!でしょ!」


Kちゃんに最近言われた。
「ね、いつやるの?あのお店」
あのあと気分上々でランチに向かった私たち、こんな感じのお店がいいねぇとか、場所はどのあたりが良いとか二人で夢を膨らませていた。
妄想の世界にしか存在しない私のお店、実現するのはいつのことやら‥‥


なんて言っていたら、いつまで経っても叶わない夢。
でも夢は、持ち続けることに意味がある。


『いつまでも小さな夢を持って生きて行くこと、それが私の小さな夢なのです』

私の好きな須永博士さんの詞の一節(^^)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?