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アルゼンチン秘伝の手抜きケーキ『チョコトルタ』とシエスタで作る最高に怠惰な時間

僕達は、毎日頑張って生活を送っている。むしろ、頑張りすぎている人が多い。でも、自分に鞭を打ち続けては、身体も心までも疲弊してしまう。

僕とアルゼンチン人妻は、たくさん頑張ったら、あるご褒美を自分達に与える。たっぷりのシエスタ(昼寝)ととびきり甘いケーキだ。ケーキがあるだけで、ただの怠惰な時間が、贅沢な怠惰な時間に早変わり。

でも、ケーキ作りは面倒くさいし、週末はお店が開いていない。もっと言えば、ケーキを買いに街へ行くのさえ億劫である。

もしかしたら中には、昼寝にケーキなんて罪悪感がある、と思う頑張り屋さんもいるかもしれない。

とにかく、充電切れの怠け者でも、罪悪感を得てしまう頑張り屋さんでも、簡単にできるケーキが1つある。アルゼンチンに伝わる手抜きケーキ「チョコトルタ」だ。

必要材料は、クリームと長方形のチョコレートクッキー、牛乳、あとはドゥルセ・デ・レチェ(ミルクジャム)だけ。おっと、ドゥルセ・デ・レチェなんて日本にはない!と言われそうだが、おそらく他の材料で代用できると思う。

まずはドゥルセ・デ・レチェとクリームを混ぜる。クリームの完成だ。

次はティーカップに牛乳を注いで、その中にクッキーをさっと浸す。浸したクッキーは、容器の中にびっしりと詰めて並べていく。

クッキーが並んだら、上からクリームを塗るのだ。

クリームの上に、再び牛乳を浸したクッキーを並べて、クリームを塗る。

これを数回繰り返し、仕上げにクッキーを上からすりおろして完成だ。

所要時間は15分ほど。早い・美味い・簡単の三拍子を揃えた、愛するフローホス(怠け者達)のためのケーキである。

完成してすぐに食べてもいいが、数時間冷蔵庫で寝かすのがおすすめ。2~3時間もすれば、クッキーがしっとりし始めてティラミスのようになるんだ。

待っている間に何をすればいい?かって。

決まっているじゃないか、シエスタだよ。何も考えない時間こそ、僕達には必要なのさ。でも、起きている時はあれこれ考えてしまうだろ。だから、シエスタで強制的に思考のシャットダウンというわけさ。別に3時間以上寝てもいい。チョコトルタは寝れば寝るほど美味しくなるから、寝坊しても心配無用さ。

ちなみにだが、カレーと同じようにチョコトルタも二日目が美味しい。初日がティラミスなら、二日目はフォンダンショコラのようにさらにしっとりする。

日曜日に作れば、月曜日の朝食はフォンダンショコラ風チョコトルタで始まる。月曜日の朝、僕はマテ茶とチョコトルタを食べながら、こう思う。

なんて良い週明けなんだ

午前中にさっとチョコトルタを作り、2~3時間たっぷり昼寝をして、マテ茶と甘~いチョコトルタを食べる。これがアルゼンチン人妻と僕の英気の養い方だ。

アルゼンチンに移住してから、生産性のない時間もまた、良い人生を作るのだと実感している。気心知れた人と馬鹿話ししたり、愛する人と昼寝したり、理由もなく散歩したり、そんな時間こそ思い出に残る

休むことは働かないことではない。土日は仕事がなくとも、義務感で何かしていれば、それは休んでいることにはならない。一番怖いのは、休んでいる気になっているだけで、全然休めていないことだ。当たり前のことだが、大小にかかわらず疲労は蓄積される。

僕達は毎日頑張りすぎている。

時間がある時だからこそ、無意味なことを楽しんで、心を満たそう。

僕とアルゼンチン人妻が提案するのは、たっぷりのシエスタととびきり甘いチョコトルタだ。びっくりするくらい怠けた時間である。でも、明日から再び頑張って生きられるエネルギーを与えてくれるはずだ。

チョコトルタのレシピ
<材料>
・ケーキ用クリーム
・牛乳
・チョコレートクッキー
・ドゥルセデレチェ(ない場合は他のと代用)
<手順>
1.クリームとドゥルセデレチェを混ぜる
2.容器にクッキーを並べる
3.クッキーの上にクリームを塗る
4.2と3を数回繰り返す
5.上からクッキーをすりおろして完成
<メモ>
・冷蔵庫で数時間寝かしてから食べるのがおすすめ
・二日目の方が美味しい
・牛乳の代わりにコーヒーを使うと、良い感じに気取った大人の味になる

サポートありがとうございます。頂いたお金で、マテ茶の茶菓子を買ったり、炭火焼肉アサドをしたり、もしくは生活費に使わせていただきます(現実的)。