北斎vs国芳な展覧会
慶應大学付設のミュージアム(KeMCo)で開催された浮世絵の展覧会を観てきた。場所は田町・三田。
コンセプト・構成・見所は、上記ページで確認いただければ良いかと思う。
以下補足。
メインの展示は大判錦絵であり、前期後期でほとんど入れ替わる。なのでこのテーマが好きな人は二度見に行かれてもよいと思う。
展示リストもきちんとネットで公開されているので、もしリストの中でこれは観たいという作品がピンポイントであるなら(プロの人?)、展示される会期に合わせて足を運ぶとニアミスせずに済む。
無料なので、とりあえず前期を観て「気に入った」「悪くない」と思ったらもう一度後期も観に来る、というのもあり。
今回私が鑑賞したときは、小振りな施設のわりに結構賑わっていた。世の中コロナ終息感で本来の人出に戻ったのかもしれないし、このテーマ自体の集客力が高いのかもしれない。
以下感想。軽く。前期(6月13日までは前期)。
今回の中で一番北斎だと思ったのは、《凱風快晴》。
今回の中で一番国芳だと思ったのは、《源頼光公舘土蜘作妖怪図》。
この版画だけ他と比べ妙に保存・発色が良く、「どうしてなんだろ?」と思った。
第2展示室は個人蔵の画稿・下絵に特化した展示。それだけで物珍しいし、絵を描かれる方には勉強や気付きになりそう。なお、こっちの展示は通期。特にクリエイターではない私が観ても、完成より手前の「作業」を「拝見」することで、北斎や国芳本人やその一派の修練の模様、描いているときの心の中、彼らが何を考えながら筆を動かしていたのかが覗けたような気分になり、親近感がUPした。
ちなみに、この展覧会では作品の撮影は禁止。まぁでも、版画の方は、展示リストを元に以下デジタル・アーカイブ(DA)で検索すれば、大抵引っかかってデジタル画像で再鑑賞できると思う。
画稿・下絵の方は、さすがに上記DAには収録されていない。この展覧会で制作販売された図録には収録されてはいたものの、さすがに写真からのプリントでは、画稿・下絵実物の持つ質感や繊細な部分を感じ取るのは難しいと感じた。そういう点では、特に画稿・下絵の方に実物鑑賞の有り難さ/威力を感じた展覧会だった。
* * *
そういえば、今うらわ美術館でも歌川国芳展やってますね。そっちはあと残り1週間ちょいか。
以 上