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【書評】奇書が読みたいアライさんの変な本ガイド

今回は文芸同人誌の書評を書いてみた。書き始めると、いろいろ面白くなって読みが進むパターン。みなさまも、そういうときがあるのでは。

#まえふり


データ/ファクト

著者公式Twitter
https://twitter.com/SF70687131

著者公式note
https://note.com/kisyo_arai/


1分ほど調べた限り、本稿執筆時点で図書館での所蔵事例は見当たらない(CiNii books, NDL online, カーリルを検索)。まぁ商業出版ではないしISBNもないのでそんなものか。

入手は、同人誌系の複数の販売サイトからできる模様。ググればすぐ出てくる。BOOTHとか。


巻末に掲載タイトルの索引あり。47 x3 + 48 x3 + 48 x3 -1 = 428件(冊)。音順(日本語、アルファベット、数字)配列。


発行日は2022年11月20日(奥付より)


コメント

***出会い・きっかけ***

2022年11月、物見遊山で覗いた文学フリマで、遭遇。(文芸系)同人即売会場の中で、並の市販本以上にバッチリきまった造本(光沢紙、フルカラー)が、際立っていた。後から知ったが、著者はTwitter読書アカ界隈?では有名な方らしい。しかしそのときそうとはつゆ知らず、売り場にいらした著者ご本人とごくカジュアルに会話させていただいた。そして、この本には「魂(あるいは書痴スピリット)がこもっているな」と感じ入り、購入。帰宅後、一度パラパラめくって満足し、しまっていた。


先日『本の雑誌』2023年3月号を読んだ際、この本が取り上げられており(連載「石川春菜 即売会の世界」)、「あぁあの本か」と引っ張り出す。せっかくなのでこの機に、じっくり目を通す。そしてやはりせっかくなので、note書評を起こす(本稿)。


***ここから本題***

Twitterと無縁に日常を営んでいる者として、このような紙の書籍化はありがたい。


取り上げられたタイトルで、自分が知っていたものはせいぜい十冊程度。ポプラ社から刊行された、あの怖いけど強烈に引き込まれる表紙イラスト(昭和の小学生の心をガッチリつかんでいたと思われる)の江戸川乱歩シリーズ(『鉄塔王国の恐怖』『電人M』)など。なお、江戸川乱歩については、ポプラ社の上記2冊以外に、春陽堂書店から出版された銅版画集『江戸川乱歩 猟奇と幻想の世界』もこの本で取り上げられていた。


著者の軽快な寸評にのせられ、どのタイトルも実物を手にとってみたくなる。その中からあえて1冊だけ選ぶなら、「○○○○○最狂」と評された『〇〇の歴史〇〇〇〇 〇〇〇 〇〇大戦〇』(考えたすえ、○で自主コードした)を読んでみたい。ちなみに、この「アライさんガイド本」で、この本のタイトル記述には誤記(誤植)があった(誤:対戦 正:大戦)。読み手として、なかなか気が抜けない。


note上の作品も一つ、取り上げられていた。以下がそれ。まだ目は通していない。


一つ一つの記事はTwitterの投稿なので、それぞれに寄せられた「いいね」の数も掲載されている。それに注目して全体を眺めると、「いいね」のトップ5は

  1. 柳田国男のとある事典(1.7万)

  2. 原書房のとある全書(5920)

  3. 『〇〇の歴史〇〇〇〇 〇〇〇 〇〇大戦〇』(5476)

  4. 某図書館で購入され物議を醸した謀書(4504)

  5. 原書房のとある事典(4479)

のようであり、10位ぐらいからは票数が大きく引き離されているように見受けられた。要するにこれらが「バズった」部類と思われる。


意外だったのは、岩波文庫の収録タイトルが結構多かったこと。しかしこれは、奇書であることと古典であることは矛盾しない(必ずしも対立項ではない)、ということか。


***謝辞***

「奇書が読みたいアライさん」、面白い本ありがとうございました。


見出し画像:アンドロ・ダ・メッシーナ《書斎の聖ヒエロニムス》
source.
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Antonello_da_messina,_san_girolamo_nello_studio,_1475_ca._02.jpg
attribution(credit).
Antonello da Messina, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons


以 上


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誠にありがとうございます。またこんなトピックで書きますね。