ノーコードツールSTUDIOを使ったコーポレートサイトリニューアル
はじめまして。一休デザイナーの相川と申します。
2023年12月に一休.comのコーポレートサイトをリニューアルしました。
今回のリニューアルでは、初の試みとしてノーコードツールであるSTUDIOを導入しました。
リニューアルに至った経緯や、STUDIOを実際に触って感じたメリット・デメリットに関して振り返ってみたいと思います。
リニューアルの経緯
リニューアル前のコーポレートサイトはWordPressにより作成されていました。
自由度や拡張性が高いことがメリットなWordPressですが、その分デメリットに感じる部分も多く社内では以下の点が課題となっていました。
プラグインの更新などWordPressの保守管理にコストを割けない
軽微なデザイン修正もエンジニアを通す必要があり、デザイナーだけで対応できない
今後スピード感をもってコーポレートサイトの情報を充実させていきたいと考えていたため、エンジニアの工数コストを下げデザイナーメインで更新できるようなツールへの変更を検討し始めました。
使用ツールの検討
リニューアルを進めるにあたり、一般的にまず検討することは制作を外注するか内製するかだと思います。
一休の場合、制作をほぼ内製していることもあり、制作会社は使わず内製で進めることになりました。
次に使用するツールの検討です。
リニューアルする上で重要視することは以下の3点でした。
社内で更新しやすい
メンテナンスコストが最低限
デザイナー主導で進められる
上記を満たしたツールがないか検討した結果、今回のリニューアルではノーコードツールであるSTUDIOを導入することになりました。
デザインを比較的自由に作成でき実装コストが低い点、ページ公開後の運用管理のしやすさが導入の決め手となりました。
次項ではSTUDIOを実際に触ってみて感じたメリット・デメリットを挙げてみます。
STUDIOのメリット
自由にデザイン作成ができる
従来のノーコードツールはテンプレートに縛られ自由にデザインできないことが多かったように思いますが、STUDIOは0から自由にデザインすることができます。
一休のデザイナーはFigmaでデザインを作成することが多いため、Figmaのように直感的に操作できる点がメリットに感じました。
デザインと実装を同時進行できる
デザイン作成と同時にコーディングが完了する点は、ノーコードツール最大のメリットではないでしょうか。
レスポンシブ対応も簡単で、PCのデザインを基準にタブレットやスマホでレイアウトが変わる部分を調整するだけです。
コンポーネント機能がある
STUDIOには、共通スタイルを管理できるコンポーネント機能があります。ヘッダーやフッター、使いまわしたい要素を登録しておけば、複数ページにまたがる修正も一括で反映することができます。
使いやすいCMS
STUDIOにはCMS機能があるため、ニュースリリースやブログ記事を投稿したり管理することができます。
記事の更新は非デザイナーが担当するため、操作性が良くわかりやすいUIであることがメリットに感じました。
STUDIOのデメリット
一部実装できない機能がある
メリットとして自由にデザイン作成ができる点を挙げましたが、一部実装できない機能もあります。
例えばページネーションはSTUDIOに備わっていない機能のため、代替案として「もっと見る」ボタンを設置することになります。
STUDIOは機能のアップデートも多いので、今後実装されることを期待しています。
情報収集の難しさ
STUDIOは直感的に操作できることもあり、使い方のマニュアルなどはありません。
基本的な操作方法に関しては公式ブログやYouTubeを参考にすることができますが、「こういったデザインを実現したい」というようにやりたいことが具体的であればあるほど情報を探し出すことが難しく感じました。
リニューアル時の公開時間が読めない
リニューアル時は以下の手順を経てサイトが公開されます。
ドメイン登録
DNSレコード設定
ドメイン接続確認
TLS証明書発行
公開
いざ公開するとなった際にTLS証明書発行がうまくいかず、リリースを断念し後日再チャレンジしました。
「TLS証明書発行は自動で行われるため時間がかかる場合がある」と公式でもお知らせしていますが、一定のダウンタイムが発生してしまう点や公開時間が読めない点はデメリットかもしれません。
おわりに
メリット・デメリットを挙げましたが、総合的にはSTUDIOを導入したおかげで満足いく運用ができていると感じています。
デザイナーメインで作業できること、更新作業のハードルが下がったことによりリニューアル後も新たなコンテンツを定期的に追加できている状況です。
コーポレートサイトは直接事業の売上に貢献するものではありませんが、企業の信頼を高めたり採用活動の支援になるような価値あるサイトに今後育てていけたらと思います。