管理業務系SaaSにおける「技術」と「技法」の実装

週1ペースでなんとか更新できてます。今後、テキストを書く分量が増えていきそうなので、もう少し頻度上げれると良いかもなという、淡い考えを抱いたりしてしまいますが、こういうのは大抵失敗すると相場で決まっているのでしばらくはこのペースでしょう。

今日はSaaSって結局なんなんだっけ。っていう話をまとめてみたいと思います。基本的には「管理業務系のホリゾンタルの」SaaSを念頭に置いて話をしていきます。バーティカルSaaSや他業務領域でも一定当てはまるとは思いますが、toCは全く別のロジックでしょう。

プロダクトマネジメント』という本では、プロダクトのことを「価値交換システム」というワードを用いて表現しています。顧客に価値を提供することでビジネス上の価値(収益)を生み出すという説明がされています。

管理業務系SaaSにおいては、「従来と比べて効率的に、ミスが少なく、仕事を完遂することができる」ことが顧客にとって価値のあるSaaSです。難しいポイントとしては、「仕事」が各社各様のため、いかに汎用的に作れるか。というところです。対応する業務範囲(=機能)が少ないサービスであれば、その分複雑性も少ないですが、対応する業務範囲が広ければその逆になります。

ここから本題ですが、「技術」と「技法」をソフトウェアとして実装したものをSaaSと捉えていきます。

「技術」とはAI-OCRによる情報抽出, タイムスタンプ付与, 電子帳簿保存法対応など、人間がエクセルを用いた手作業だけでは実現できないこと。と言い換えることもできます。

「技法」とは、特定のルールに基づいた仕訳の自動生成・特定の情報の自動計算、ミスがないかの効率的なチェックなど、人間がこれまで、何らかの方法を用いて行ってきたものです。多くはエクセルを用いて実施されていたり、人間の目や手を用いて行われていました。

『難しいポイントとしては、「仕事」が各社各様のため、いかに汎用的に作れるか。というところです。』と、少し手前で述べていましたが、この汎用的に作るというのは「技法」の領域になります。

「技術」の部分は、基本的には各社で差分が生まれません。そもそも人間の手ではできない部分なので、実装するときに各社に合わせて作る必要が基本的にありません。

「技術」のクオリティは、全顧客への価値に直結するため、ここで競合に後塵を拝してしまうと、「技法」の論点にたどり着かないことが大半です。反対の言い方をすれば、「技術」で優位性を持てると価値が大きいのですが、「技術」で明確な差をつけるのは一定の投資が必要になってきます。

いま携わっているLayerX インボイスにおけるコア技術のひとつはAI-OCRです。最近では、場合によって、人間より精度が高くなってきているような感じがします。 LayerX インボイスにおける「技術」の考え方については、こちらに記載されています LayerX インボイスにおける請求書AI-OCRの概要

「技法」の話に突入すると、長くなりすぎそうなので、また来週に...。

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