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まぼろしのお菓子が食べたい

noteの皆さま、こんばんは。こちらの企画に参加します。Sazanamiです。「おかしをくれたらおかえしするぞ」xuさんの企画です。そういえば、もうすぐハロウィンですね。









ときどき、強烈に食べたくなる
お菓子があります。


シブーストです。








Wikipedia先生によると、


折りたたんだパイ生地に、
りんご、クリーム、シブーストを重ねて、
上面をカラメリーゼした、フランス発祥のお菓子


だ、そうな。
(句読点いれると、織田信長風になりますね。
「で、あるか」的な)










このお菓子、わたしが住んでいる「沖縄」のケーキ屋さんで売られているのを、生まれてこのかた見たことがありません。




「沖縄 ケーキ シブースト」


で、ググってみても、見つかりませんでした。

それとも、ほんとうは
沖縄のどこかで売られているけれど、
わたしの検索能力の低さにより、
情報が入ってこないだけなのか……。



「ケーキ屋さんで見かけない」シブースト。

なぜ、わたしが知っているのか。




テレビで見たから、なのです。




シブーストを焼いている、ステキなパティシエ




……の、役をやっている





平成の名バイプレイヤー・大杉漣サマを!








あれは確か、2007年の朝ドラ「どんと晴れ」


ヒロイン・比嘉愛未さんの父親役だった漣さん。世界大会で優勝するほどの腕をもつパティシエで、横浜に自分のお店を持っています。





そして、得意なケーキが「シブースト」

パッと見、地味だけど、作ってみると熟練の「技」が必要だと、「どんと晴れ」公式HPに書いてありました。






Wikipedia先生いわく、

脳梗塞で倒れたヒロインの父親。


手術したものの右手に麻痺が残り、パティシエを続けるのが絶望的になってしまう。


にもかかわらず、旅館に嫁いだ娘の苦境を思い、退院直後に、娘とともに考えた「オリジナルシブースト」を、左手で製作した。






で、あるか!(本当に信長になっちゃった)








そう、そのシーンを

たまたま見ていたんです!







お昼ごろテレビを見ていて、チャンネル変えたら、コック服を着ていた漣さんが、ものすごい真剣な顔つきで、ケーキを焼いていたんですよ!


「えっ、誰このひと。超かっこいい!」
と、なったのは言わずもがな。うふふ。






ケーキの上のほうを、ガスバーナーで
「ジュッ!」と焼いていたように見えました。





その、焼いた部分が、
こがね色のステンドグラスみたいで、


包丁を入れると
パリン、パリンと、
楽器みたいにキレイな音を奏でそうで、


それはそれは美味しそう😋







漣さんの生前のインタビューによると、
ガスバーナーだと思っていたアレは、
「熱したコテ」だったのだそうです。








熱したコテ……。

ハンダゴテみたいな?








とにかく、ケーキの上に砂糖を振りかけて、熱したコテでジューっ(「カラメリーゼ」という工程)。


これが、「上手くできると嬉しい」そうです。











ドラマの中で、漣さんが、

嫁いだ娘を思って、自由のきかない左手で

懸命に作った、あのシブースト。







どんな味がするんだろう。食べたい……。



ずっと、悶々としています。








漣さんの出ている映画や、ドラマや、バラエティ。果てはトーク番組まで、いろいろ見ているうちに、シブーストへの欲求も膨らんでいきます。








漣さんのお姿を見るたびに、

「そういえば、あのケーキって」

と、なるのです。









2018年・冬。

漣さん、とつぜんの他界。




足もとがくずれ落ちるほどのショックで、まいにち泣いて暮らすなか、ふと、あのお菓子が、脳裏をよぎりました。










「シブースト、食べたい」











それで、シブーストの売っていそうな、県内のケーキ屋さんを、血眼になって、ネット検索したのですが、見つからず。




それから1年ほど経った春ごろ、県内某ホテルにて、「ケーキ🍰ブッフェメニューに、シブーストあり。4月末まで!」との情報を入手しました。









当時、ブライダルシンガーの仕事をしていて、県内のホテルには、ちょこちょこ足を運んでいたのですが、よりによって、このホテル。





那覇市内にあるんです😭





当時、県内中部に住んでいて、仕事は県内リゾート地、すなわち北部のホテルにある、チャペル。










わたしの生活圏内から、遠く離れたそのホテル。

土日に行ってみようにも、春の土日は繁忙期。

挙式の入っていない日など、どこにもなく……










泣く泣く、県内北部のホテルにある小さなチャペルの、これまた小さなモニター室みたいなところで、漣さんのシブーストを思いながら、缶詰になっていました。






そして、履き倒した靴底のように神経をすり減らすと、甘いものが欲しくなりますよね。




あのホテルに、シブーストを食べに行きたい。
でも予定が立たない。




どうにもならない無限ループのなか、繁忙期を終えたころにはケーキ🍰ブッフェも終わっていて、




結局、シブースト食べられず。










ああぁぁぁぁ((((;゚Д゚)))))))!!



せっかく、手が届きそうだったのに!!









漣さんが、いなくなった悲しみも癒えず、
シブーストを、食べられそうで食べられなかった悔しさも残ったまま、「挙式」の仕事をこなすうち、神経がピアノ線のように「激ヤセ」





わたしは、ブライダルシンガーの職を辞した……




違います。
結婚を機に「今だ!」と思……ナンデモナイデス。






そーれーでー。










いまだ、シブーストにありつけてないんですよ!

こんなに文字数を、費やしたのに!
(怒りのベクトルが違うような)





いちど、パルコ内にある「上○珈琲店」の、
ケーキのディスプレイをチラ見したら



「シブースト」


たしかに、あったんですよね。








そのときも、混雑していたのか何なのかで、お店には入らず、夫に言われるまま、断腸の思いで素通りした覚えが、あるような、ないような……





あのころ、12月あたりだったと記憶してます。

また出てくるかしら。




師走になったら、娘を預けて

夫と、コーヒーでも飲みに行ってみようかしら。





漣さんが、心を込めて作った

「まぼろしのお菓子」


実際に、パティシエの方から指導を受けて、
みずから作っていたんだそうですよ!
Eテレの「100分で名著」なる生放送の番組でも、焼いていたとか∑(゚Д゚)


いつか、ゆっくり味わえますように✨




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