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エンジニアのコンピテンシーマトリックスを作った(翻訳した)ら、スキルイメージの共有がしやすくなったり、チームの強いところ、弱いところがわかりやすくなった話

こんにちは。
スイッチ押し忘れて2日遅れの投稿になってしまいました。。。
生内です。

今回はエンジニアのコンピテンシーマトリックス(CM)を作った(翻訳した)話をしたいと思います。
元ネタはこれです。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/131XZCEb8LoXqy79WWrhCX4sBnGhCM1nAIz4feFZJsEo/edit#gid=0
中のエンジニアリング・ディレクターが2018年に公式ブログ(翻訳版)で公開したものです。

これが、よくよくみていると非常に良くできていることがわかりました。
なので日本語化することにしました。(サラッと書いているけど、結構大変だった)
僕の私見だけの資料にならないよう、社内外のエンジニアやリードエンジニアやEMなど、数人の意見を聞いて内容をイメージし、直訳だとどうしても高尚過ぎてしまって身近感がなくなるので、日本の実情に合いそうな言葉を選んだり。項目も少し変えました。

それがこちらです。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1TVm4v3k3o3AM-6I77jVdw6c3LTxm4mOU4LBUHpTk5uo/edit?usp=sharing

 なぜこれが良いと感じたか

コンピテンシーは、すごく簡単に言えば、スキルや技術それぞれに対し、事業に対して実用的に技術を活用するために学び、身につけるべきことを、学び、身につけるべき順番で定義しているものです。
こんなシンプルなものですが、事業の目的とスキルの関係性をよりクリアに認識させてくれます。
以下は、よりクリアになったことの恩恵の話です。

技術やスキルのことを話すときの共通言語になる

僕の経験上、技術やスキルのことをお互いに存分に話し合えないような環境だと、メンバーはだんだん成長が鈍化していきます。

なんの基準もない中で技術やスキルを指摘しあって高め合っていくというのは意外と難しく、時には特定のメンバーの独善的な解釈が蔓延してしまってフラットな議論ができなくなってしまっていたり、声の大きい人のスキル評価だけが偏重されてしまったり、など、さまざまな問題が起こります。

こうした際に「たとえばこの技術はまだM3に至ってなさそうだ」「ここはもう M4レベルだと思う」のような会話がなされるようになると、多くの偏重が無効化され、事業やチームが求めているスキルレベルの定義と一致してくるようになります。

得意分野にフォーカスしているようなメンバーを正しくイメージできる

このメンバーは特定の技術においてめちゃ尖っている、が、そのほかの技術は人並みか、それ以下だ。ということを「正しく理解することができる」ようになります。

こうしたメンバーは、得手してさまざまな局面で尖っていて優秀な方、もしくは人並み以下な方のどっちかの解釈に振って話をされがちです。チームアサインの時などにこの問題が起こると、見えにくいミスマッチが起きてしまいます。

そうしたざっくりとした把握ではなく、ここは得意でここは苦手な人、といったようなより正確な把握をすることができるようになります。

評価を分担する準備と、評価をチームごととしてブラッシュアップできるようになる

ひとりCTOから始めた方は、ぜひ一度、自社版のCMを起こしてみてください。
これを作ることで、今まで言語してこなかった、メンバーたちに大切にしてほしいと考えていることや、コーディングだけではなくこうした能力が事業の中で技術を活かすために必要なのな、といった(もともと自分で考えていた)ことが自分の中でも明確にわかるようになります。

文化やカルチャーは自分の中で明確に自覚できればできるほど人に伝え、伝わった人と共に流布できるようになりますから、これまで自分の頭の中にだけあった価値観を持っているCTOやテックリードには、ぜひこれを使ってその頭の中を表現し、人に伝わる状態にすることを始めてほしいと思います。

コンピテンシーは運用し、ブラッシュアップしていくもの。

マクアケでも一部メンバーにこの内容の一部を実際のコンピテンシー項目として運用しています。
まだ始まったばかりですが、少しずつ効果が出始めているところです。

このコンピテンシーはまだまだ考えきれていないと思うところも多々あるのと、事業の都合だけでなく、社会業界の標準的な見解も意識して運用していこうと思っていますので、いろんな人の意見を聞きたいと思っています。DMやコメントなどでも意見歓迎です。

なぜ社会業界の見解も取り入れるのかというと、それを通じて自社技術の見つめ直しができるからです。そのシンクロが、各エンジニアの普遍的なキャリアアップにもつながるからです。

また、今回実は暗号資産(仮想通貨)を実際にマイニングしてみた話を書こうと思っていたのですが、来年社内LT会でやることにしたので、ネタバレにならないように今回はこっちにしました。

この記事はMakuake Advent Calendar 2021の25日目(最終日)の記事でした。
https://adventar.org/calendars/6822

みなさま、今年もあと少し、がんばりましょー!
※もうお休みに入られている方は良い休暇を!

良いお年をお過ごしくださいませ。


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