休日だけを楽しみに生きていた新入社員が働くたのしさを知ったきっかけの話
「いくみんは仕事好きだね~」「バリバリ働いているんだね」
知人や友人、はじめて話した人からもよくこんなふうに言われるのですが、ふと思い出せば数年前、わたしは休日だけを楽しみに働く新卒社員でした。
そういえば、なんでこんなに「働く」ことに前向きになれたんだっけ?と思い、きっかけをふりかえってみたいと思います。
第一志望の企業で働きながら、とにかく休日を待ち望む日々
さかのぼることn年前、社会人1年目。当時のわたしは、第一志望で入ったはずの企業で、休日をいちばんの楽しみに働いていました。
「誰かの成長の後押しをしたい」と思って入社した、教育サービスの企業。期待に胸をふくらませていたはずなのに、仕事をがんばるモチベーションは休日。
もちろん、新入社員なりにうれしいことや達成感が全くなかったわけではありませんが、仕事をがんばるいちばんの理由を、仕事から見つけられなかった日々でした。
理由はいろいろありましたが、とにかく休日明けが苦痛だったんです。
「やるべきこと」はたくさん与えられていましたが、一つ終わらせればまた新しい「やるべきこと」が与えられるだけ。毎日13~14時間は職場にいて、「やるべきこと」を終わらせたい一心で働く日々。じぶんが誰なのか、なぜこの仕事を選んだのかもよくわからなくなり、楽しいと思えたことはありませんでした。
いまとなっては、あの時あの会社で働いた経験があったから今のじぶんがいると胸を張って言えますが、当時はまだ目の前のことだけで精一杯だったんですね。
実はやりたくなかった仕事。「早く帰るために」仕方なく試行錯誤をはじめた
そんなモヤモヤを抱えながら、「もう辞めよう」と心が折れかけたとき、転機となる経験をします。
きっかけは、入社わずか3か月での人事異動。これまで勤務していた神奈川を離れ、都内の校舎で働くことになりました。
そこで、はじめて「新規生徒募集の責任者」なるポジションを任されます。
なんとなく聞こえはいいですが、実は恐れいてた仕事でした。
というのも、異動前の校舎はこの「新規生徒募集」の成績が非常によい校舎だったのですが、その成績はアルバイトスタッフや社員の「超長時間労働」に支えられていたからです。(そこにフィットしきれずに辞めたいと思ってました)
そんなわたしの内心に気づいているのかいないのか、赴任先の上司は「何かあったら俺が責任取るから、好きにやっていいよ」といい、なんの経験もない新入社員のわたしに、生徒募集業務のすべてを丸投げして任せてくれました。(当時は「マジかよ」という感情でしたが、いまはめちゃくちゃ感謝しています)
任されてしまったからには、前の校舎のように長時間労働をしなくても、成果が出せるようにしたい。
まあ、本音をいえば「早く家に帰りたい」という一心だったんですが(笑)
募集業務の研修もなければ、教えてくれる先輩もいない状況で、「やばいものを引き受けさせられたな」と当時は思いましたが、そこからめちゃめちゃ考える日々が始まりました。
詳細は割愛しますが、年間500人くらいの見込み顧客(塾の資料請求や訪問、体験講習を申し込んだ方など)に対して、誰にどんなアプローチをして入学につなげるかを考え確実に実行するというのを、社員(1人)+アルバイトスタッフ(6人くらい)で役割分担をしながら行いました。
あれ?なんか楽しいかも。「チームで働く」ってこういうことだったんだ
結論から言うと、たった8か月間でしたが、この仕事ではじめて「働くってちょっと楽しいかも」と思えたんですね。
それは、社会人になってからはじめて、「チームで協力してゴールを目指す」という体験ができたからです。
募集成績が上位だった前の校舎では、上司である校舎責任者が何をすべきかをすべて考え、詳細に指示を出して部下やアルバイトが正確に実行をするというスタイルでした。
当時まだ入社3か月、何の経験もない新卒社員のわたしが募集責任者になったところで、そのスタイルが通用しないことは言うまでもありません。
じぶんにできることが何なのかすらわからないため、生徒募集を担当するアルバイトチームのメンバーにひたすら「今は何をやっているのか」「何か困っていることはないのか」を聞き、現状を理解するところからはじめました。
業務終わりの居酒屋で、アルバイトメンバーとああでもない、こうでもないと毎週のように議論して、「それできたら最高じゃん!」と思うことを見つけてはみんなでアイデアを出し合う。
わたしが苦手なエクセルでの表作成などは得意なメンバーにお任せし、以前は社員がやっていた、「個々の顧客へのアプローチを考える」仕事もチーム全員でやってみる。
「じぶんの経験のなさを補なわなくては」「早く帰りたい」という気持ちでとにかく動き回っていただけなのですが、気がづけば誰に命令されるわけでもなく、「この課題をなんとかしたい」「もっとよくしたい」という純粋なモチベーションが生まれていきました。
なにより、生徒募集チームで過ごす時間がとても楽しかったんですね。
働くたのしさは、「やりたくなかった仕事」から学んだ
最終的には結果も出すことができ、その校舎の最高在籍数を更新することもできました。
自分ひとりではできないことを、チームの仲間と成し遂げる。シンプルですが、この経験が「働くってたのしいかも」と気づかせてくれたさいしょの経験だったなと思います。
当時はだいぶ辛かったのですが、今思えばこの経験なくして今のじぶんはなかっただろうと思えるくらい、わたしのキャリア観の原点ともいえる経験です。そしてそれが、「やりたくなかった仕事」から得られたというのが、人生何があるかわからいなーという感じですね。
やりたくない仕事ばかりを選ぶまでしなくてもよいと思いますが、たまには身を任せてやってみることで、想像していなかった学びや収穫があるかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。
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