ファイトをもらえた遠出
任地303日目。木曜日。
2日間のセチュラへの遠出から帰ってきました。
2日目の今日は朝から同期の家のキッチンでご飯を作り、海に出かけて、他国の隊員にペルー料理を食べてもらうためセビーチェ、アリスコンマリスコス、チチャロンをお昼に食べ、乗り合いタクシーで返ってきました。
ホンジュラスとエクアドルの隊員と話し、また先日来てくれたドミニカ共和国やコスタリカ隊員の話も聞いて、みんなペルーを好きになってくれて、嬉しいです。そしてここまで自然環境や食が豊かな国ってなかなかないんだなと、またインカ帝国があった歴史もあり、改めてペルーという国のすごさ、ポテンシャルも感じました。
一方で感じたのは、同期隊員との待遇の違い。
JICA海外協力隊は配属先がボランティアほしーい!ってなって、派遣国が日本国との取り決めがあるのを前提としてその資格に合うボランティアをJICAが探してきて派遣している仕組みなので、
ボランティアの活動においてこの配属先というのがとても重要になります。そのため、配属先がなければボランティアも派遣されません。配属先のあるところにボランティアが派遣されています。
この配属先も、JICAへの理解度やボランティアへの理解度、協力性、自立度、仕事へのやる気など本当に様々で、こればっかりはもうどうしようもないところがあります。
今回の遠出は、同じ州内とはいえ私の任地からは3時間離れた郡でした。そこに配属されている同期は環境教育隊員なのですが、彼が配属となったその日からウェルカムパーティみたいなのが開かれていたり、ニュースが取材に来たり、まあ神待遇ですごいなとは思っていたのですが、
実際に私が今回尋ねて実際のやり取りを見ていて、やはりこんなにも待遇が違うんだなと驚きましたし、いいとは言えない待遇の中、自分も結構頑張っているんだなーとも思えました。笑
それは今までJICAがお金をかけてきたかとか、前任がどのようにやってきたかとか、JICAに理解がある人がいるかどうかとか、街全体が街として機能しているかとか、いろいろ要因はあるのですが
同じ州の中でもここまで違うことに驚きましたし、その街としての発展度合いも私の町とは全然違いました。
一応断っておくと、
発展していないから大変とか、発展していて待遇がいいから大変じゃないってことは私はないと思っていて、
発展していてもしていなくても、ボランティアが抱える悩みってそれぞれだし、楽とか楽じゃないとかも他人が判断できるものではないと思うんですよね。
だから今回の遠出でも、違うなとは思ったけれど、だからといって自分が人より苦労しているとは思っていません。
協力隊員になって少し嫌だなという感情をたまにもつことがあるとして、私にとってはそれは「自分の任地のことを勝手にわかった気にされること」なんですよね。
10か月、本当にいろんなことがあったし、大変なこともうれしいこともあって、それって他の人には理解しきれないことだと思います。私も他の任地のことをそう思うのでわかった気にはならない用に意識しています。
でも、例えば今回の私の同期の任地と私の任地は、似ているようで全然違うし、それを一緒のようにとらえられて、こんな感じなんだねって片付けられるのは私はあまりいい気はしないし
例えば自分の任地より発展度合いが低い任地があったとして、そこの隊員に発展度合いが高くていいよねって言われるのもあまりいい気はしないです。
だから、今回の同期の任地を見て、確かに発展度合いや配属先の協力度合いが私の任地とは全然違って驚いたけれど、だから私より楽だねとは言う気もないしそうやって思うことは違うと思うけれど、(つまり誰かに対してその「比較」のベクトルを向けるのは違うと思う)
ただ自分の中でいろんな悩みやつまずきがあって、その自分の中での自己解決に、他エリアを見て、その発展度合いや配属先の協力度合い、任地での人の感じの違いを持ち出して自分の中での落としどころを持ってくるのは、精神衛生的にアリだなと思います。(つまり自分にそのベクトルを向けるということ)
「比較」というのは、必要以上にするべきものではないと思いますが、自分を客観視するときには一つの判断材料になると思います。比較というのは外に向けるものではなく、自分に向けるものだと思っています。
たとえば、私は今回同期の街を見て自分の任地との違いを知っていたずらに羨ましがりたかったわけではなく、その違いを知ることで、自分にはどうにもならないものもあるんだなとか、意外に戦えているんじゃないのかなとか、自分の活動が進みにくいのってやっぱり移動手段もあるよねとか、そういうのを自己納得できるというか、それがありがたいなと思いました。
任地にいると何がどうで何をどうしたらいいのかわからなくなるときもありますが、そういう時にあえて「比較」することで、自分の力でどうにかできるものと、自分の力ではどうにもならないものと、そういうのが見えてきたりして、それが希望につながることもあるのだなと。
今回はそれがファイトをもらえた一つの要因でした。
また、セチュラは本当に暑く、他国の隊員も暑そうにしていたのですが、私の任地の方が自他ともに認める暑さで、おそらくペルー北部の中でもだいぶ上位に入るくらいの暑さ。例えば今日の気温は37度と言われていますが、体感はだいたい+2度と言われているのでもっと高いことになります。
そんななかで、クーラーもない中、職場でも扇風機が当たらないところで仕事をしていて、やる気もそがれるよなあと改めて思い
家に帰っても職場でもずっと暑い中で、良く耐え忍んでいるなあと、ちょっと自分で感心しました。
みんなが暑い暑いというたびに、自分のやる気のなさを正当化してもらえる気分になって(笑)、少しファイトをもらえました。
10か月、私は今の任地が好きだし、今後もここにいると思うけれど、
その中で大変なことってやっぱりあって、それでも耐えてきたのは自分を褒めてあげたいし、任地特有の大変さも真に受けて過ごしてきて、過ごせてきていることもわかって、そういう意味でファイトがもらえそうです。
暑い暑い任地ですが、めげずに堪えぬこうと思います。
配属先もカウンタパートもなかなか協力的ではないですが、それも向き合って頑張っていこうと思います。
別の場所を訪問することで自分の任地が客観視でき、そんなファイトがもらえました。
長くなりましたが、以上です。
おやすみなさい!