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ガウディの遺産サグラダファミリア【バルセロナ】


1.概要

→サグラダ・ファミリアは、スペインのバルセロナにあるカトリック教会で、1882年に建設が始まりました。建築家アントニ・ガウディが設計を引き継ぎ、自然や宗教をテーマにした独自のデザインを施しています。ガウディの死後も建設は続けられており、現在も未完成のままですが、完成すると高さ170メートルを超える予定です。ユネスコの世界遺産に登録され、バルセロナの象徴として世界中から観光客を引き寄せています。

2.歴史的背景

→サグラダ・ファミリアの建設は1882年に始まりました。当初はフランシスコ・デ・パウラ・デル・ビリャールが設計を担当していましたが、翌年にアントニ・ガウディがプロジェクトを引き継ぎました。ガウディは教会のデザインを大胆に変更し、自然と宗教を融合させた独特の建築スタイルを導入しました。

3.建築デザインと特徴

→サグラダ・ファミリアの建築デザインは、アントニ・ガウディの独創的なビジョンに基づいています。彼は自然からインスピレーションを受け、教会全体に有機的な形状と象徴性を取り入れました。

➀ファサード
⑴生誕のファサード
→キリストの誕生を描いた最も装飾的な部分で、自然のモチーフや生命の豊かさを表現しています。
⑵受難のファサード
→キリストの受難と死を描いた厳粛でシンプルなデザイン。直線的で力強い彫刻が特徴です。
⑶栄光のファサード
→まだ建設中ですが、キリストの栄光と神の国を象徴する予定で、教会のメインエントランスとなります。

➁内部空間
⑴柱と天井
→森をイメージした柱が天井を支えており、自然の中にいるような感覚を与えます。柱は樹木のように分岐し、天井を美しく飾っています。
⑵光の演出
→ステンドグラスから差し込む光が内部を色鮮やかに染め、時間や季節によって異なる表情を見せます。

➂塔
→サグラダ・ファミリアには18の塔が計画されています。それぞれが聖書の登場人物や宗教的なシンボルを表しており、最も高い塔はイエス・キリストを象徴し、完成時には170メートルを超える高さになります。

★ガウディのデザインは、自然と宗教の深い結びつきを表現し、建物全体が巨大な彫刻作品のように感じられるのが特徴です。

4.技術的な挑戦

➀初期の建設技術
★伝統的な技法
→ガウディがプロジェクトを引き継いだ頃は、主に手作業と伝統的な石積み技術が使われていました。石を一つ一つ積み上げていく方法で、時間と労力がかかりました。

➁ガウディの革新
★逆さ吊り模型
→ガウディは重力を活用した逆さ吊り模型を使い、自然の力に基づいた安定した構造を設計しました。これにより、複雑な曲線や斜めの柱を含む大胆なデザインが可能になりました。

➂20世紀後半の技術導入
★戦争と中断
→スペイン内戦で設計図が失われ、一時的に建設が中断しました。しかし、1940年代以降、ガウディの残した資料を基に再開されました。
★近代技術の導入
→20世紀後半には、コンクリートや鋼鉄といった新しい建材が使われるようになり、工事のスピードが向上しました。また、精密な彫刻やデザインを再現するために、機械加工が取り入れられました。

④21世紀の技術革新
★コンピュータ支援設計 (CAD)
→現代のサグラダ・ファミリアの建設は、コンピュータ支援設計(CAD)を利用して進められています。これにより、ガウディの複雑なデザインを正確に再現できるようになり、建設の効率も向上しました。
★3Dプリンティング
→一部の構造や装飾品には3Dプリンティング技術が使用され、手作業では困難な複雑な形状を迅速に製造しています。

➄現在の挑戦
★建設中の観光地管理
→サグラダ・ファミリアは観光地でもありながら、同時に建設が進んでいるという特殊な状況にあります。安全性の確保と観光客への配慮が求められます。資金調達とスケジュール管理: 長期的なプロジェクトであり、資金調達やスケジュール管理が大きな課題となっています。寄付や観光収入が建設費に充てられています。サグラダ・ファミリアの建設は、伝統的な技術から最新のデジタル技術に至るまで、建築の進化とともに歩んできました。このような技術の融合が、この壮大なプロジェクトを可能にしています。

5.アクセス方法

➀地下鉄(メトロ)
路線: L2(紫色のライン)または L5(青色のライン)
最寄り駅: 「Sagrada Família」駅
アクセス方法: 地下鉄L2またはL5に乗り、「Sagrada Família」駅で下車します。駅を出るとすぐにサグラダ・ファミリアが目の前にあります。

➁ バス
主要な路線: 19、33、34、50、51など
最寄りのバス停: 「Sagrada Família」または「Pl. de la Sagrada Família」
アクセス方法: これらのバスに乗って「Sagrada Família」または「Pl. de la Sagrada Família」バス停で降りると、徒歩数分で到着します。

➂ タクシー
バルセロナ市内のどこからでもタクシーで簡単にアクセスできます。ドライバーに「サグラダ・ファミリア」と伝えるだけで、目的地まで直接連れて行ってくれます。

④ 徒歩
バルセロナ中心部(例: カタルーニャ広場)からは徒歩でもアクセス可能です。徒歩で約30分程度かかりますが、道中でバルセロナの街並みを楽しむことができます。

➄ サイクル
自転車を利用する場合、バルセロナには自転車専用レーンが整備されています。観光客向けのレンタルサイクルも多く、気軽に利用できます。自転車置き場も教会周辺にあります。

6.結論

→サグラダ・ファミリアがこれほど愛される理由は、その独自性と普遍的な魅力にあります。まず、アントニ・ガウディが設計したこの教会は、自然と宗教が見事に融合したデザインで、他に類を見ない美しさと複雑さを持っています。また、未完成という点も人々を惹きつけます。建設が続く中で生まれる歴史や物語は、多くの人々に共感や関心を呼び起こしています。さらに、サグラダ・ファミリアは単なる建物ではなく、信仰と希望の象徴として、多くの人々にとって特別な存在です。バルセロナの象徴として地域の誇りであり、世界遺産として国際的にも高く評価されています。このように、サグラダ・ファミリアは美しさ、歴史、文化、そして人間の情熱が結集した存在であり、それが多くの人々に愛され続ける理由です。

7.写真


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