見出し画像

白鳥和生「即!ビジネスで使える新聞記者式 伝わる文章術 数字・ファクト・ロジックで説得力をつくる」

仕事で文章を書くことをイメージしたり、あるいは、他の人が書いた文章について確認するときの視点としてこの本を読み始めたのだけれど、意外にも、頭に浮かぶのは、このnoteでの読書感想文を書くときのことだった。
もともと読書日記を公開する形で書き始めたのは、自分が読んだ本の魅力を周囲に伝えたいと思ったこと、読んだ内容を振り返りながら書くことで、自分自身にとっての最初のアウトプットにしたいと思ったこと(それはアウトプットとしてはごく手始めであって、本当のアウトプットは実生活や仕事に活かすことでなければいけないと思っている)などがある。そして、自分自身が過去に読んだ本について内容を思い出したいときに使えるという効果も感じている。あとは、文章を書く力をできるだけ維持、あわよくば磨きたいので、そのためにも意識的に書く機会を増やそうと思っている。基本的には個人的な楽しみの範疇という感覚だった。
でも、この本を読んだら、もう少し姿勢を正して、このnoteを書きていきたいな、という気持ちになってきた。例えば、自分もその本を読んでみようかなと思って、行動を起こしてもらえるような文章を書いてみたい。
いつも読む本を探している私は、こんな風に仕事をしたいと思っている人や尊敬している人が「この本おススメです」といったらすぐに読んでみようと思う。たぶん、本についての話を読んでからの購入ボタンを押すなり図書館の本を予約するなりまでの行動のハードルはかなり低い方だと思う。
とはいえ、全く知らない人が何か本について書いていたとしても、すぐに読んでみよう、となるわけではない。本の魅力が存分に語られていて、今すぐ読みたいと思わせることもあるし、あるいは、その人の課題認識が、自分が抱えていることと通じることがあって、その上で本を読んだことで状況が変化したことが伝わると、読んでみようとなる。
そんな文章を書くために、どうすればよいのか、ということがこの本には具体的に書かれている。新聞記者式、というところがまたポイントだと思う。もちろん新聞社に採用されたのだから、もともとの素質というのもあったのだとは思う。けれど、組織の中で社員それぞれが書く文章をまとめて新聞という形にし、しかもそれは月単位で契約して販売する商品であるのだから、どの社員も書けるようになるノウハウがあるはずで、それが新聞記者式、ということなのだ。誰でも伝わる文章がかけるレシピといったところだろうか。
タイトルにも書かれているように、基本は数字・ファクト・ロジックだという。その3つをどう取り入れるか、ということだけでなく、それをどう作り上げていくか、ということについて、手取り足取り教えてくれている。例えば数字については、情報源も含めた情報収集の方法に始まり、どう表現すれば理解してもらいやすいか、ということも書かれている。
その他にも、伝わりやすい文章のコツや、最後に確認するためのチェックリストなども記載されている。伝わりやすい文章のコツとしては、今回実践してみたのは、「形容詞をできるだけ使わない」ということ。形容詞は誰にとっても使いやすく、便利だけれど、平板で月並みな表現になってしまう危険性があるという。例えば「おいしい」など食レポで多用していたとしたら、どうおいしいのか細かい部分が伝わらない、というのはその通りだと思った。
自分で文章を書く時にも気を付けつつ、また他の誰かがかいた文章を確認して伝わりやすいように修正するときにも使いたいと思った。正直なところ、文章には書く人の思いがあり。それを尊重したいとつい思ってしまいがちだし、どこかに手を加えようとすると、他のところが崩れて意味が通じなくなったりおかしくなることがあるので、非常に苦手だった。とはいえ、確認して、余計なものを削除し、分かりにくいところを言い換え、足りないところを加えなければいけない時もあるものなので、そういう時にはここに書かれたことに基づいて指摘するということをやってみたいと思った。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,141件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?