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出産までの道のり②

前回出産についてのエピソードを書き記したのだが、少し遡って出産準備についても記しておきたい。というのも、当時その時点で妻との温度感に差があり、それを埋められなかった自身について後悔しているからだ。

出産に際し、買わなければならないものや準備が多いのは経験者であればご存じのはずだ。新生児の居場所となるベッド・布団にはじまり、肌着や洋服・おむつ・哺乳瓶・哺乳瓶の消毒セット・ガーゼハンカチ・ベビー用ボディーソープ、ベビー用保湿クリーム・ベビー用リップクリーム・ベビー用爪切り、など枚挙に暇がない。
家に物が増えることを嫌う私は、毎週末外出しては買い物をする、という1~2か月に渡る準備期間にやや嫌気が差していた。想像以上の出費と検討時間、そして削られる週末の自分の時間。生後10日間を迎えた今日振り返っても、一番ストレスを感じていたのはこの頃だろう。

そしてこの頃の自分を殴りたい。

いざ育児が始まると、妻が中心となって揃えたグッズはすべて必要不可欠で、洗い替えが必要なものは毎日洗濯しても足りないほど。あの時ちゃんと準備していなければ、今頃私は走り回っていたことだろう。

まだ出産しておらず、子供の姿を見ていない、という点では同じ土俵の上のはず。なのに当事者意識や先回りの意識がここまで違うことを痛感するとともに、頭が上がらない気持ちになる。

余談だが、子供グッズは派手な色が多い。アニメグッズを一つでも導入したら最後、家の景観は崩れること間違いなしであろう。妻はそのあたりも入念に考慮し、限られた選択肢の中から我が家に合うアイテムをピックアップしてくれた。
そして妻はほとんどのアイテムを私の同意を得てから購入していた。
子供を育てる、ということに対しての意識にギャップがあることは彼女も察していたはずだが、私が置いてけぼりにならないように、身重な体で配慮してくれていたと思う。今思うと、感謝しかない。
おかげで、いざ子供が我が家に帰ってきた時には、必要なものはすべてそろっており、今の住まいになじむアイテムたちと子育てに向き合うことができている。

自分自身、育児に対してはとても前向きであるという自負がある。就活の時には将来の夢は結婚であると豪語し、自身の成長過程を振り返りながら、子供に施したい教育について夢想し、妊娠前から断片的な理想について妻と語ったりしていた。

子育てに対して前向きである。だからこそ、アイテムを買い揃えるあの瞬間をもっと楽しめたらよかったと後悔している。
言い訳でしかないが、当時育休取得にあたり仕事の引継ぎをしていたのだが、人ひとり分の仕事を第3者に引き継ぐことは生半可なことではなく、四六時中仕事のことを考えては、平日には収まりきらない仕事をいつこなそうかと考える日々だったため、脳の向き先をまだ見ぬ育児に切り替えることができなかったのである。このあたりは育休を取得する方なら誰でも経験することだと思うが、オンオフしっかりつけられるとよかったな、と反省している。
そして、このプロセスも妻は先に経験した上で、産休に入っているということを忘れてはならない。

同じ未経験ながらも圧倒的な妻の立ち回りのおかげで、なんとか出産準備も終わり入院の日を迎えることができ、安心して出産を迎えることができた。

前回のNoteには記載したが、紆余曲折あった出産後、入院中は毎日面会に通った。体へのダメージが大きい妻との会話と、病院面会時間が4時間という制限の中、初めてのおむつ替えや授乳などを経験し、やれることを精一杯やったのち、満足気に帰宅していた。
この時は、まだ4/24時間分の対応しかしていないことなど露知らず、「意外と自分にもできるのでは」などと暢気に考えていた。

退院してからの試行錯誤や新しい発見についてはまた別のNoteに記していくことにする。


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