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除去生活は楽しんでなんぼ。息子の卵アレルギー発覚と私。

私の息子は卵と大豆のアレルギーをもっている。

血液検査をすると、ゴマやバナナなど、他の食品もひっかかってくるのだが、現在除去して生活しているのはこの2品目である。


私は専門学校を卒業後、ずっと介護の仕事をしてきた。

仕事が面白いあまり、結婚も遅く、初めての出産は「高齢出産」と言われてしまう、35を越えた年齢だった。

そんな私にとって、初めての育児ながら、介護と通ずる育児の面白さに触れ、日々楽しく育児が出来ていると思う。


息子のアレルギーに気付いたのは生後9か月を過ぎ、離乳食中期に入った頃。

「卵アレルギー予防は、できるだけ早い時期から卵を耳かき1さじ分から摂取していくことが望ましい」と、偉い人が言っていたらしく、先輩ママさんから教わった。

だから生後7か月ごろから、せっせとゆで卵を作っては、耳かき1さじ分から恐々与えていたのだった。

私の父は蕎麦アレルギー、妹は重度のアトピー性皮膚炎、姉は喘息、自身も犬猫・金属アレルギー。

そんなアレルギー一家で育った私は、息子のアレルギーについても非常に不安を持ってはいたのだった。

ゆで卵の黄身を4分の1ほど摂取しても、特に何も起こることもなく美味しそうに食べる息子を見て、私は「あぁ、卵は大丈夫そうだな」なんて、油断してしまったのである。

大量嘔吐、そして蕁麻疹…

ある日、夫の実家で急遽夕食を呼ばれることになった。

当時離乳食中期の息子は、つぶし粥程度のものしか食べられなかったので、ありあわせの材料で「おじや」を作った。

「おじや」とは、雑炊のこと。そう、私はその時、雑炊に卵を入れて調理したのだ。すっかり卵は大丈夫だと思い込んでいたので、油断していたのだと思う。

小さなスプーンで少しずつ口に運ぶと、ぱくぱく食べる息子。

変化はすぐに現れた。

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目が充血し出し、しきりにかゆそうに眼をこすりだす。鼻水も出てきて、まるで花粉症のようだ。

何かがおかしい。不安に駆られ、食べさせる手を止める。

嫌な予感が頭をよぎる…お茶を飲ませて少しでも薄めようか。

なんて考えるうちに、マーライオンのような勢いで、嘔吐を3回。

みるみるうちに広がる、赤い発疹。

「あぁ、卵アレルギーだ…」

嘔吐し、泣き叫ぶ息子を抱きしめながら焦る気持ちと裏腹に、介護の現場で幾度となく当たった緊急対応の経験が、嫌に自分を冷静にさせた。

確定診断、そして始まる除去生活。

発症したのがもう夜で小児科の診療時間外だったことと、嘔吐によりアレルゲンを体外に排出できた為か1時間ほどで症状が治まったため、小児科へは翌日に受診し、主治医へ相談をした。

血液検査でアレルゲンを調べていくことになった。

血管など見えないムチムチの腕に針を刺し、針先の感触で血管を探し当てる医師の凄腕に関心しつつも、

高齢者の採血も取りにくいのは見てきたが、乳幼児の採血は、それ以上に痛々しく、見ているこっちが泣けてきた。

検査結果が出るまで数日の間、「卵アレルギー」の検索魔と化し、息子のアレルギーの程度が軽度であることを祈りながら情報を貪った。

しかし結果は悪いほうへ出るもので、卵は卵白・卵黄・加熱卵全てにおいてアレルギー数値が振り切っていたため、卵の完全除去生活が決定した。

そしておまけと言わんばかりに、もうひとつのアレルギーが判明。

それが「大豆」である。

おいおい…硬いものが食べられないこの離乳食時期において、豆腐なんて一番食べさせやすい食材じゃあないか。しかも大豆って、お味噌とかお醤油とか、日本の食卓においてほとんどすべての料理に入っているじゃあないか。

のちに、有難いことに醤油やお味噌などの加工品はかろうじて摂取できることが判るのだが、この時の私の衝撃は相当なものだった。

この子は、一体何が食べられるのだろうかと。

いっそのこと除去生活を楽しんでやる。

絶望している暇はない。

だって、食べることは毎日だ。

卵と大豆を奪われた息子の食事を調理することになり、色々な方の体験談やレシピを参考に、自分なりに考え、息子が美味しく食べられるように日々工夫しながら調理している。

卵を除去しながらも美味しく作れると、なんだか嬉しかったりして、アレルギー除去生活の中に小さな楽しみも見いだせた。

まだ完全除去中の息子だが、いっそのことこの除去生活を楽しんでやろうと思う。

今後、そんなレシピ紹介もさせていただきたい。

息子にはアレルギーがあっても不自由さを感じて欲しくない。そして同じ境遇で不安になっている方に、私の経験が少しでもお力になれますように。

除去生活も、工夫しだいで乗り切れるよ、と伝えられるように。

アレルギー治療、アレルゲン除去生活、ただいま絶賛進行中!

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