【朗読 大人向け読み聞かせ】『岡本かの子/晩春』

《あらすじ》
鈴子は一人、帳場に座ってぼんやり表通りを眺めていた。
彼女は堀の縁へ泳いで来る魚を一日に一度、暇をみては覗きに来る癖のついた自分を子供っぽく哀れだと考えたりしていたが、魚を見れば興奮し、魚が来なければ寂しくなる。
友人達が次々に縁談がまとまる中、自分が縁遠いのは、住む環境や家のせいだと僻みもしていた。
鈴子には喘息の弟がいて、目が離せない。縁談も無く、弟の付き添いをしなければならず、魚を見て気を紛らわせることすらままならない鈴子なのであった。

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