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「小論文過去問解説」北九州市立大法学部 令和5年前期試験

こんにちは。小論文研究室@bitsAcaです!
こちらの記事は、受験指導のプロ北島と小論文元全国一位の賀茂がタッグを組んで作成しています。

私たち2人から見ると、小論文入試問題は 九州・四国・中国地方の大学が熱いです。 真正面から社会問題に対して考えさせる出題が多いので。 高校生はもちろん、大人の方にチャレンジして いただきたい問題です。

過去問はこちら

https://www.kitakyu-u.ac.jp/uploads/735b5879f1a3081b19115eff404d7e80.pdf

講評

高度成長期は三大都市圏につぐ都市として人と富が集まった北九州市。炭田と製鉄所がリードした都市は、高度経済成長の終焉、石炭から石油へとエネルギーの主流が変わるエネルギー革命、新幹線やジャンボジェットの普及に伴う、近接する福岡市の成長とともに街が静かになっていきました。
それでもなお政令指定都市として一定の影響は保っておりますが、そんな中で出されたこちらの問題。「過疎地域はどんどん寂れて消えていくのがベストである」という意見に対してどう答えるかが小論文のテーマです。
かつての勢いは残念ながら見られない人口減の続く北九州市の位置づけも問われます。相変わらず大都市なのか、過疎地域と言ったほうが適切なのか、かの地を拠点とする公立大学が問うているというかなり挑戦的なテーマです。受験生にとっても、問題文への賛否を理由付けして答えるのは、かなりデリケートになります。自らの答えのスタンス次第では学ぶ目的も書くことも変わってきますから。ロジカルに描ければいいので賛否がどちらでも問われないとは思いますが、自身の学び舎の定義づけですので、入学後の引っ掛かりは残るかもしれません。
国公立大学というものの位置づけは、地域活性のための学問的見地からの重要な拠点です。学校の位置づけがどうなるかによって、光をあてたい研究はどうしても変わります。そこは受験時に考えておくのはよい学びです。過疎化の進む地域においては、地方活性化は重要テーマとして小論文の頻出テーマなのですが、大都市圏においてはあまり問われないテーマです。それだけ、拠点によって温度差が分かれる分野であるということを示しています。小論文というのは、学校の姿勢と社会における位置づけををよく示すところなので。

解説

問1
課題文において、過疎化する地域において、地域活性化や地域再編などは頻繁に議論されるものの、うまくいかなかったり、古くからの慣習や文化を重んじた上での反対意見なども多い当事者や利害関係者への非難に近い批判がなされています。過疎化地域の在住経験があり、そうでない都市の人間でもある筆者が、なぜ下線部のコメントに至ったか、確認していましょう。

問2
問1では過疎化地域の内部からの視点の話ですが、今度は外部である都市部から見たら、下線部のコメントはどのようになるのか問うています。鹿児島と東京という、地方都市と首都圏という対照的な2拠点で活躍する筆者の視点を踏まえたうえで、自身がどう考えているかよく考えていきましょう。出題した側の自己定義が、国家運営において過疎地域なのか国家運営において大きな決定権を持つ大都市なのかも、賛否を考える際に重要ですね。

参考:問題文の著者のサイト

https://sho39.com/profile.pdf


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