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理想の旅立ち方

 今日は源平合戦で活躍し、後に法然上人に帰依した熊谷直実の誕生日。平家物語で平敦盛と戦い、よく見ると自分の息子とさほど歳が変わらないため討つのを躊躇いましたが背後から自分の郎党が押し寄せてきたため逃しきれず自身で討った場面が極めて有名です。
 その後、頼朝から不遇な扱いを受けたり身内との所領争いなどを経て思うところあったのか熊谷直実は法然上人を訪ねて出家。法力房蓮生と号します。吉川英治の小説『親鸞』には法然上人に殺生、闘争による業の報いの恐怖を告白し上人からの返答に男泣き。救われたと出家する様子が描かれています。
 出家すると修行に精を出し、僧としても評価を高めました。その甲斐あってか事前に予告した日に往生を遂げました。自らの指定した日に安らかに往生したのは昨日書いた西行法師だけではありません。今はピンピンコロリが理想とされていますが、昔は予告して自然に世を去ることに成功した人がいました。業による報いを恐れていた人生から一変。予告往生に成功したのは非常に素晴らしいと思います。
 いつかは皆世を去ります。業による報いを避ける事が誰にもできないのと同様、生きていれば否応なくその日に近付きます。理想の形でできたら素晴らしいですね。今日も良い一日を。

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