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早起きマエストロとの朝の協奏曲

 朝は息子のシンフォニーが僕たちを起こす。それはなんとも爽やかな早起きの技術で、彼が僕たちの朝を1時間ほど早める名曲だ。伝えるメッセージはシンプル、「一緒に遊んでくれ」という彼の大きな声から読み解くことができる。もちろん、僕たちも敬意を表してその誘いに乗る。その後は彼の指揮棒のように振られる泣き声に合わせて、ミルクを彼の口元へ運ぶ。このように朝からエネルギッシュな息子の存在は、僕たちの朝のルーティーンをしっかりと確立している。

 一方で日中の僕の体調はなかなか良くならない。夜になるとさらに微妙になる。それはビールを手に取る手を停める程度のものだ。今日も僕はビールを休むことにした。

 夜ご飯の間、息子は一人で座って遊んでいた。僕はそれに気付き、しっかりとその姿を見ていた。つい先日には掴まり立ちができるようになり、今日には一人で座るのができるようになった。彼の成長速度は僕たちの予想をはるかに超えていた。その素晴らしさには感動するばかりだ。

 しかし、彼の成長スピードに付いていくためには、僕たちもそのペースに合わせて早起きする必要がある。これが親の成長というものかもしれない。そして、僕はその事実を肯定的に受け止め、毎日を過ごしている。何しろ、息子のシンフォニーを楽しむためには、その楽団の一員として、同じリズムで生きることが必要なのだから。

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