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怪獣の地団駄ダンス

 息子が、ある日突然、自己流の奇妙なダンスを習得した。椅子につかまり立ちをしたかと思うと、その場で地団駄を踏むように踊り始めたのだ。その光景は、まるで小さな怪獣が音楽に合わせているかのよう。僕たち夫婦は、その可笑しさに爆笑してしまった。

 すると、僕たちの笑い声が彼にとって最高の拍手だったらしく、疲れて立てなくなるまで、その変なダンスを何度も何度も繰り返していた。彼の小さな体は、ダンスのたびにエネルギーを放出し、部屋中が彼の笑い声と踊りで満たされた。

 こんなに純粋で無邪気な笑顔を見ていると、一日の疲れがどこかに吹き飛んでいく。僕は思った。どんなに美味しい食事や冷たいビールも、この瞬間の癒し効果にはかなわない。息子のダンスは、まさに僕たちにとって最高のリフレッシュメントだ。

 子どもの発見した喜びや楽しみを共有することで、大人も忘れかけていた純粋な感情を思い出す。息子が見せてくれる、このような小さな奇跡が、日常の中で最も輝いて見える瞬間なのだと、改めて気づかされた。

 息子のダンスは、ただの地団駄ではない。それは、家族の絆を深め、日々の疲れを忘れさせてくれる、小さな魔法のようなものだ。これからも、彼の成長と共に、新たなダンスを見るのが楽しみだ。

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