27年ぶり!ブルーノート東京
まさか将来息子を連れてくることになるなんて、学生だった頃の私は想像もしなかった。
表参道の街が好き。
親戚が青学の隣りで店をやっていて、子どもが小さい頃よく連れて遊びに来ていた。まだ息子がベビーカーに乗っていた頃だ。
色々あって疎遠になってしまったけど、今回ブルーノートに行くついでに訪ねようかと手土産を買った。成長した息子に会わせ驚かせたかった。しかし、寄るとなるとかなりの距離を歩くことになるので断念。また別の機会にした。
改装したのかな?ブルーノートは何もかも記憶の中の店と違っていた。
去年、馬場智章さんのカルテットを聴いたのは偶然だった。実は別の人を聴きに行くつもりだったが予約でエラーが出てメールが送れなかったため、他の日程のスケジュールを見て馬場さんにしたのだった。
パット・メセニーが来ることを知ったのも、馬場さんのライブの後、何気なくブルーノートのホームページを見たからだ。
高校時代にパット・メセニーグループのアルバム「レター フロム ホーム」に出会い、気に入って聴いていたが、そのうち聴かなくなった。あれから30年。去年、ライブに行くことを決めてから一気に今までのアルバムを聴き返した。
ライブは素晴らしく、始まるなり心の深い場所から温かくなり、励まされている気持ちになった。
今まで何度も彼の音楽から受け取ってきた大きな慈愛がたしかにそこにあり、この人があの偉大な曲の数々を生み出したのだ、目の前で今弾いているこの人が…という感動と共に、私はいいのだ、このままで、このまま進んでいこうという深い安心に包まれる。
彼が選ぶ音、奏で方、一つ一つに魂がこもっているのだ。
彼が追求し表現する音楽。
長年聴き続けてきたわけじゃないが、若い頃のエネルギッシュで疾走感溢れる時代から、様々なアレンジやテクニックを超えシンプルで味わい深い作風に至った境地ともいえる熟年の現在まで、すべての時間がこのひとときに詰まっている、私たちの眠っている無意識に揺さぶりをかけ、さらに思いがけないびっくり箱のようなサプライズも待っているという、まさにドリームボックスな内容だった。
先日観た映画「パーフェクト デイズ」のヴィム・ベンダース監督と同じくらいの年代ではないだろうか。
少ないセリフと独特の映像美で人生を、人の世を描く。「ベルリン 天使の歌」「パリ・テキサス」「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」と好きな映画が多かった。なかでも天使が人間に恋する「ベルリン 天使の歌」が特に好きで、若い頃繰り返し観た。
彼らに共通するのは長年表現し続けることの凄さと、人生が完成に近づくとき、どんな景色を見て何を感じ、表現するのか。ジャンルは違えど彼ら二人の作品はともに素朴で豊かで、清らかで洗練されたものになっている。
私も死ぬまで書き続けたいし、彼らの歳になって自分が一体どんなことを書くのか楽しみに生きていきたいと思う。
この経験に感謝します✨
〜最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪〜
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