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美容師の花子さん

5ヶ月ぶりに美容院に行ってきました。
退職してから美容院に行く頻度がぐんと減ってしまいました。

ボーボーに伸びた髪をきれいにカットしてもらい
白髪用のヘアマニキュアもしてもらい
見違えるほど別嬪さんになりました…か?🤣

いつもカットをしてくださる美容師の花子さん(仮名)は、同年代のお姉さんです。
あ、昔はお姉さんでした。

私に子どもが生まれる前から、ということはかれこれ30年、花子さんにカットしてもらっています。

そして私の母も、私の息子たちも、息子のお嫁さんも、その他親戚一同、花子さんが担当してくれています。

花子さんは誰よりも、うちの親族の動向を知っています。


人との雑談があまり好きではない長男ですが、なんと花子さんとは雑談をしているようです。

「長男くん、友だちとケーキ食べ放題に行ったんだって?中学生のときの長男くんからは想像できない姿やね~。」
「長男くん、転勤するかもしれないの?寂しいでしょ」

美容師の花子さんは、長男が中学校時代から2か月に1回ほどカットしてくれています。

その頃の長男は、家族以外の人とおしゃべりすることはほとんどなく、たぶん自分に自信もなく、しんどい日々を送っていたと思います。

母親の私にも、できることはご飯を作ることと時々マッサージをすることぐらい。

そんなときに思ったことは、彼を理解してくれる大人を一人でも増やしたいということでした。

その一人目が花子さん。

「坊ちゃん刈りじゃなくて、ちょっとカッコイイ感じに仕上げてやってください」とお願いしたのでした。

あの日から10年近く、長男の成長を見守ってくれている花子さん。

花子さんも私ももう還暦。
病気の話やら、身体が痛い話やら、介護の話やら、終活の話やらそんな重い話をしながら笑い合います。

花子さんには髪を切るテクニックだけではなくて、抜群のコミュニケーション能力があって、

抜群のコミュニケーション能力というのは、おしゃべりが上手ということではなくて、相手を受け止めて見守り続けるのが上手なのだなということを、

今日はしみじみ思った次第です。

花子さんが引退したら困ってしまうなぁ…。









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