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【親子問答】「ふつう」について

ある日の母子の会話。

母:『思考型判定テスト』やってみたんよ

長男:ふ~ん

母:そやけど質問がようわからんねん

長男:なんでやねん

母:たとえばな、「整理整頓が苦手ですか」に「はい」か「いいえ」で答えろって書いてあるんやけどな、どのくらいが「ふつう」かわからんから自分が苦手なんかどうなんかわからんねん。

長男:そらそうやな。「ふつう」は「場」によって違うからな。

母:「場」によって違うて、どうゆうことや?

長男:たとえばな、『運動能力』で考えてみよか。

母:ふんふん。

長男:ボクはこの家の中では「運動能力」は「ふつう」やん。

母:うん、ふつうや。

長男:そやけど外に出たら「超苦手」に分類されるやん。

母:確かに。家族全員「超苦手」に分類されるわ。

長男:な!「ふつう」は「場」によって違うやろ?

母:そういうことか!私の『方向音痴』は家の中でも外でも「ふつうやない」からわかりやすいわ!

長男:いやいや、方向音痴の人ばっかりの中では「ふつう」になるやろ。

母:そうか😂

自分について答えるアンケートって答えに迷いません?
私は答えているうちにわからなくなって、もうどうでもいいや!とテキトーに答えてしまいます。

だって自分が「ふつう」だと思って生きてきているんですもの。
他の人の感じ方は自分の感じ方とは違う、とは理解していても、「どう違うか」はわかりませんもの。

「ふつう」って何なんでしょう?

国語辞典(現代国語例解辞典)によると

①ごくありふれていること。通常であること。一般的。↔特別 
※例「身体の調子が普通でない」


②一般に、それが標準と考えられている様子。↔特別 
※例「こうするのが普通だ」


③(副詞)大抵。※例「普通8時に家を出る」

現代国語例解辞典 第2版(小学館)

上の例文を見てみましょうか

例:「身体の調子が普通でない」

「いつもの自分」の身体の調子と比べるなら少しはわかりますが、「一般的に普通といわれる」身体の調子とは比べられません。

「いつもの自分」と比べるのも難しいですよ。
「なんとなくしんどいねんけど、これって普通なんやろうか??」と思うことはよくあります。
なぜなら、「普通」の範囲は広いからです。

例:「こうするのが普通だ」
こうなると全然わかりません。「一般に、それが標準と考えられている様子」ですからねぇ。
「一般って誰やねん」という話です。
「みんなブランドのバッグ持ってるから私にも買ってよ」というときの「みんな」とおんなじです。

「ふつう」という言葉は抽象的な言葉ですから、具体的には示せるはずがないんですよね。

ありもしない「ふつう」にあれこれ惑わされる必要は1ミリもない、ということです。



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