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【本の紹介】『幸せジャンクションーキャンピングカーが運んだ小さな奇跡』(香住 泰 著)

梅雨どきは頭痛や腰痛、肩こりにめまい、気分の落ち込みなどなど、お悩みの方が多いのではないでしょうか?

そういうときはそういうもんだとあきらめて、ダラダラしている私です。

『幸せジャンクション』はそんなうっとうしさを除湿して、澄んだ気持ちにしてくれます。

人間だれでも、「悪い面」と「良い面」を持ち合わせています。
ですから、「良い人」と「悪い人」に分けることは不可能だと思いますが、小説の中では「悪役の人」が出てくることが多いですよね。

ところがこの小説では、悪役として登場しても、「悪い面」は裏に回り、「良い面」が表に出てきます。
そういう、「人間の良いところ」をこれでもかと見せてくれます。

あらすじ

勤務先の運送会社が突然倒産し、途方に暮れる主人公・浜浦遼二。
浜浦は、社長の計らいで、退職金代わりにキャンピングカーを手に入れます。
そして、不思議な縁に導かれ、キャンピングカーを使った人助けの旅が始まることに。
困難を切り抜けていく浜浦ですが、実は過去に秘密を抱えていて……。

感想

まず、「キャンピングカーで旅」という設定が素敵です。
キャンピングカーって憧れません?
車の中がお部屋みたいになるんですよね。

主人公 浜浦は、たまたま手に入れた立派なキャンピングカーで、「尼崎」「川西池田」「豊中」「伊丹」「宝塚」「高槻ジャンクション」「大山崎ジャンクション」、「東京IC」「調布IC」「松本IC」…と走ります。

出不精の私でも何となく知っている地名がたくさん出てきますので、自分がキャンピングカーに乗って旅をしているような気分になります。

浜浦には、「困っている人」を引き寄せるオーラのようなものがあるようです。そして、彼は「困っている人」を見捨てません。

「困っている人」の中には、「上手に助けを求めることができずに、悪を働いたり、人に嫌がられることをしたりする人」もいます。
そういう人も見捨てません。
「そういう行動をとるのはなぜか」ということまで察して手を差し伸べます。

「浜浦さんみたいな人がいたら会ってみたいわ!(おるわけないやん)」
と思いながら読んでいると、後半である事実が判明します。

その事実を知ると、
「あ…私も、浜浦さんのような人に出会ったことがある」
と気づきます。

あなたも出会ったことがあるかもしれません。

あ~、浜浦さんとキャンピングカーで旅ができたらいいなー。

あとがきより

「あとがき」にこんな文章があります。

心を閉ざした還暦の男が、予期せずキャンピングカーを手に入れたら、さあ、どんなことが起こるでしょう。先に何が待っているかわからないけれど、事件が起こる都度、相方の助けを借りて行くべき道を決めていく。進むにつれ、還暦男の心に変化も。そんな物語になりました。

『幸せジャンクション』あとがき

還暦は「人生これから」のときなのかもしれませんね。
私もキャンピングカー買おうかしら、免許ないけど😆






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