マガジンのカバー画像

あかんたれ先生のこぼれ話

24
教師時代の忘れられない子どもたち、保護者さんたち、先生たちのお話しや、新人の頃の失敗談、今思う教育課題について書いています。
運営しているクリエイター

#エッセイ

【先生にエール】家庭訪問で教わったこと

もう35年以上も前。 私は22歳、大学を出たばかりの新米高校教師。教員になれた喜びと、今…

かぼちゃ
2か月前
10

あかんたれ新米教師が教師を辞めずにすんだワケ

私が新卒22歳で高校教師になったのは、今から37年も前のことです。 1年目の私は目も当てられ…

かぼちゃ
2日前
63

札幌聾学校訴訟 訴え棄却と『ヒゲの校長』のこと

日本手話で教えてもらえなかったとして、札幌聾学校の児童が北海道に賠償を求めた裁判の判決が…

かぼちゃ
3週間前
37

【子育て】「絵本」がことばと心を育ててくれた

小学生の時にASDの診断を受けた長男の「ことばの獲得」に重要な役割を果たしたのは、なんとい…

かぼちゃ
1か月前
84

【支援教育・子育て】困った時の「歌」だのみ

先日の夕方、買い物に行く道すがら、「か~ら~す~ なぜ鳴くの~」のメロディが突然浮かんで…

かぼちゃ
1か月前
89

【教育】恩師が、亡くなる時もポケットに入れていた紙切れの話

あれから10年程になるのだろうか。 高校時代の恩師、憧れのH先生が事故で亡くなった。 我が母…

かぼちゃ
2か月前
40

【特別支援教育】愛着障がいのあるみいちゃん

みいちゃんは15歳。高等支援学校という、卒業したらすぐに就職することをめざす生徒たちが通う学校の1年生。軽度の知的障害があります。生まれてすぐに乳児院に預けられ、ずっと施設で育ってきました。 みいちゃんは、担任のあやこ先生が近づくと、「どっか行け!お前は嫌いじゃ!」と言って逃げていきます。先生になって2年目の、優しいあやこ先生は、そんな時いつも「待って!みいちゃん、待って!授業が始まるよ~」と言って、一生懸命に追いかけます。みいちゃんは、振り向いてアッカンベーをして、ますま

【特別支援教育】場面緘黙のあるさっちゃん

さっちゃんは、場面緘黙のある支援学校高等部の生徒です。場面緘黙というのは、ある決まった場…

かぼちゃ
1年前
8

【入管問題】中国から来たAさん

思い出すことがある。 「学校のいい話」ではなく、「日本の国の民であることが恥ずかしくなる…

かぼちゃ
1年前
1

【特別支援教育】「あ」だけで伝えるあきらくん

支援学校小学部のあきらくんは、うんちはパンツの中でしかできないし、体も小さいけれど、人一…

かぼちゃ
1年前
1

【特別支援教育】エジプトから日本の支援学校に転校してきたASDのMちゃんのこと

もう20年くらい前、私が知的障害支援学校の小学部に勤務していた頃のお話しです。 私のクラス…

かぼちゃ
1年前
6

【教育】質問です。「つこみ」とは何でしょう?

もう30年近く前、私が高校教員だった頃の話です。 その頃、大阪のある地域では、中国残留孤…

かぼちゃ
1年前
4

【特別支援教育】ウイリアムズ症候群のマサルくん

ウイリアムズ症候群という障がいのあるマサルくんは、支援学校の小学3年生。ウイリアムズ症候…

かぼちゃ
1年前

【特別支援教育】お母さんが大好きな、ASDのヨウタくん

今は昔。私が支援学校小学部の教員をしていた20年以上前のお話しです。 ASDで重度の知的障がいのあるヨウタくんは、支援学校小学部の6年生でした。「お母さん」と「ぷーさん」が大好きです。 言葉が話せないので、自分の思いが伝わらず、たたいたり蹴ったりしてしまいます。 小学6年生ですが、大人の私と身長は同じくらい、体重の1.5倍くらいあります。力もとても強いので、たたいたり蹴ったりすると大変なことになります。 大変なことになるたびに、お母さんは謝ります。小6になるまで、数え