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あかんたれ先生のこぼれ話

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教師時代の忘れられない子どもたち、保護者さんたち、先生たちのお話しや、新人の頃の失敗談、今思う教育課題について書いています。
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もう35年以上も前。 私は22歳、大学を出たばかりの新米高校教師。教員になれた喜びと、今…

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小学生の時にASDの診断を受けた長男の「ことばの獲得」に重要な役割を果たしたのは、なんとい…

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【支援教育・子育て】困った時の「歌」だのみ

先日の夕方、買い物に行く道すがら、「か~ら~す~ なぜ鳴くの~」のメロディが突然浮かんで…

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【教育】恩師が、亡くなる時もポケットに入れていた紙切れの話

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【特別支援教育】場面緘黙のあるさっちゃん

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【教育】被差別部落のおっちゃんに教えてもらった話

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【特別支援教育】ウイリアムズ症候群のマサルくん

ウイリアムズ症候群という障がいのあるマサルくんは、支援学校の小学3年生。ウイリアムズ症候…

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【特別支援教育】お母さんが大好きな、ASDのヨウタくん

今は昔。私が支援学校小学部の教員をしていた20年以上前のお話しです。 ASDで重度の知的障がいのあるヨウタくんは、支援学校小学部の6年生でした。「お母さん」と「ぷーさん」が大好きです。 言葉が話せないので、自分の思いが伝わらず、たたいたり蹴ったりしてしまいます。 小学6年生ですが、大人の私と身長は同じくらい、体重の1.5倍くらいあります。力もとても強いので、たたいたり蹴ったりすると大変なことになります。 大変なことになるたびに、お母さんは謝ります。小6になるまで、数え