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どこまでも真っ直ぐな

香川県には有名な建築家が建てた建物がいくつかあります。
借りているNikonのカメラ片手に建物に負けないくらい真っ直ぐに撮れるよう鼻息荒くして撮ってまいりました。
普段あまり気にもとめていない細部を追及すると芸術作品として生まれるのかもしれない。と、このカメラを通してそう感じたのでちょっとご紹介いたします。

【地中美術館(設計者:安藤忠雄)/直島】
コンクリート打放しと光と言えば安藤忠雄。
直島にある地中美術館が代表作の一つ。
地中美術館の壁はもちろんコンクリート打放し。陽の光がコンクリートに反射してホログラムのようにキラキラと光輝いています。物語性を感じる入り口。実際に安藤氏を除く3人の芸術家の作品がこの場所に展示されていました。

地中美術館入り口
コンクリート打放しと光

入り口付近までしか撮影は許可されていないので私が撮った地中美術館の写真はここまで。
コンクリートはキッチリ作らないと固める時に空気が入り穴が空いてしまったり、コンクリ同士の隙間から水が入り水痕で黒くなりますがこの壁はそれがない。これだけのコンクリート作るにはなかなかの技術が必要になるそうです。

【ベネッセハウス(設計者:安藤忠雄)/直島】
屋内・屋外にアート作品多数。
作品よりも建物に興味津々な私でした。
ちなみに、奥に3人います。3人でひたすらしゃべります。
「ちゃるちゃるちゃるちゃる∞∞∞」
そういう作品です。

【ベネッセハウス(草間彌生)/直島】

こちらの丸い玉は、スタッフの方が毎朝夕一個一個磨いているそうです。「玉磨きで始まり玉磨きで終わる」と、スタッフの方がサラッと名言を残していました。

無限門

【香川県庁舎東館(設計者:丹下健三)】
「文化遺産としてのモダニズム建築20選」に庁舎建築として唯一選ばれた香川県庁舎東館。
洋の中に和を感じさせるために木目を型取ったコンクリートを全てに使用しているようです。

香川県庁舎東館
木目を型取ったコンクリート柱

言われるまでこのコンクリートが木目になってるなんてわかりませんでした。この接写写真で、コンクリでも木造でも受け取れる仕上がりは素晴らしい。アイデアが斬新すぎて鳥肌立ちました。

ピロティ

円形の「石灯篭」は丹下氏のデザイン。
映っていませんが手前に椅子とテーブルがあり、ここは県民の広場として設計されたそうです。

横からの光
前から

この柱は細長い長方形の柱が並んでいます。
陽の光で斜めのスリッドが入った影が等間隔に映り出されてとてもキレイでした。

県庁舎内部

訪れた日がお休みでした。(土曜日)
ガラス越しに写した内部は県庁舎の資料館になっていました。
中も木目調のコンクリートですね。

この日、本当に天気がよかったので影がキレイに整列して写真を撮ることができました。
屋根の細い出っ張った梁が天気の良さを一層物語ってくれます。
この梁のデザインもお寺や神社の印象を与えてくれます。

庁舎内にある壁画は香川県出身の画家・猪熊弦一郎氏による作品。
あー、中に入りたかったな。次は平日に行かないとダメですね。
でも、香川県庁舎東館は前から見たかったので、今回天気の良い時に見れて本当によかったです。

【金比羅宮 緑黛殿 (設計者:鈴木了二)】

薄いグレーの柵と、赤茶色の鉄壁。
この鉄はリン酸処理を行っておりあえて錆びさせているそうです。
薄いグレーと、赤茶色、砂色の色の組み合わせがとてもキレイ。
先に処理を行うことで錆にくくする効果もあり、錆びてきてもその錆がわかりにくいように作られています。

「何故この建物がこのように作られたのか」技術的な面からも追っていくと、その細部を撮るために向けるカメラの方向が変わってきます。
真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに、美しさを追及しながらも人々の住まいをより豊かにさせる技術が私たちの生活を支えているのだなと思うと、建築は深いな〜と思いました。
もっと知りたいし、知って、その細部を写真におさめたい。そしてそれをアウトプットした作品を作りたい。そうすると、きっともっと真っ直ぐな作品になりそうな予感。


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