成長2

戦略的なスキルの育成計画、ありますか?

はじめに

昨日、POL共同創業者、元ガリバー創業メンバーの吉田さんに毎月開催していただいているマネジメントWS(ワークショップ)に参加してきました。
今回のテーマは「部下のスキルの戦略的・長期的な育成」
事前宿題も込みで濃密なWSになりましたのでレポートします。

概要

● スキルも意識と再現性を持ってマネジメントしないと、目指す結果は得られない。
● 部下の長期的な育成設計はあるか
● 自分自身についても同じように育成戦略考えてみよう

成長としての5つの要素

このWSでフレームワークとなる「スキル成長のための5つの要素」について簡単に説明する。

画像1

「スキル成長のための5つの要素」
①適正・才能
 自分にあったスキルを伸ばす方が不得意を得意にするよりは向いている。
②意識工数
 そのスキルを身につけるという覚悟がなければ伸びていかない。
③理論・型
 正しいスキルの伸ばし方を知る。フレームワークを活用する。
④場・経験
 どれだけ理論を知っていても実践がないと伸びていかない。
⑤継続年数
 実践は短期ではなく、継続しなければい

詳しくはこの本で実例とともに出ているのでぜひ。

事前宿題

今回のワークでは「自分がマネジメントしている一人について年単位の成長設計を作ってくる」ことが宿題として与えられた。
その内訳は、以下のような感じ。

画像2

画像3

このシートを活用するために知っておくべきポイントとしては大きく3点。

①MSマトリクスによってメンバーのマインドセットとスキルの現状を把握→将来を考える
②マインドセット-信頼マトリクスによってメンバーとの信頼関係をどのように築いていくのかをプロット。
③短期的な施策ではなく、長期も見据えて具体的に成長戦略を描く。
● MSマトリクス:
 Mind-Skillの二軸においてメンバーをプロットしたもの。
● マインドセット-信頼マトリクス:
 マインドセットを引き上げるには信頼関係が重要であり、信頼関係-マインドセットの二軸においてメンバーをプロットしたもの。
信頼関係が築けていないうちは褒めて伸ばすなどの柔らかいマネジメント、信頼が築けたのちはより戦略的な話をするなど話の内容を変える、というもの。

ここで説明するには全然足りないので、詳しく知りたい方いたら口頭などで補足します。

宿題をやってみての気づき

Kさん:
部下の成長に向き合えてなかったかも 長期的にどうかというのを見れてなかった。最近の課題に対してしか向き合えてなかった
Tさん:
経験年数長い人上位レイヤーほど成長させるのが難しい
Iさん:
良かった点は、結構信頼関係を気付けているメンバーが多いなということ。ただ一方で、それが故にもっと厳しいことを言っていいなと気づいた。それができていないのは甘えである。
Aさん:
メンバーが思っている理想像と、自分が思う理想像に乖離があるなと感じた。宿題は自分が思ったことを書いてるが、相手がそれをみたときにどう思うかの読みが必要。もっとムーンショットいけない?みたいなギャップを埋めることに気づいた
Fさん:
「ミドルリーダーが育っていない」というの致命的な課題に気づいた。いろんなことがあって慌ててたけど、意外とやるべきことができてないな。
ミドルレーダーが育たない=自分が全部見ることになってしまう。
Oさん:
俯瞰して長期的な成長戦略は描けておらず場当たり的になっていた。書くことによってその人の強みを明示的に理解できる。
Kさん:
本人と一緒に作った方がいいのではないか。本人がどうなりたいかを一緒に考えるといい。継続は大事。

では、部下やマネジメント対象の成長戦略についての共有を踏まえた上で、

自分自身のマネジメントについても考えよう

今度は他人ではなく、自分についても俯瞰して成長戦略を考えてみる。

<気づきのシェア>
Iさん:社長代理にならないとダメだと気づいた
Sさん:自分は継続してやる力は弱い。0→1はうまい、それをスケールさせるのが伸びしろ。自分がいなくても回る組織を作らないとダメ。
Fくん:自分自身の成長の未来像ってのがあんまり見えなかった。それを俯瞰できるようにした方がいい。
Kさん:今自分がメインで持っている業務にはあまり適性はないと感じている。が、それをやり続けることでスキルを伸ばしたい。
Mさん:吉田さんを守。徹底的に守。理論・型でいうと利益と顧客価値。場と経験ではそこに結びつくところにリソース貼り続ける。社長とは適性が違う。社長ができないところは自分がやる、やらないところは自分がやる。吉田さんとの接触面積と質。事業を回せる力を作る。強みであるリアリスト・メタ認知を伸ばす。

会全体を通しての最大の学び3つ

①言語化していないものは振り返れない
②自分自身も俯瞰して、一つのリソースと捉えて成長戦略を立てる。
③マネジメントは期待しすぎない。期待しないけど、100%向き合う。

①言語化していないものは振り返れない

今回やってみて痛感したのは、これまで自分や部下の成長については場当たり的には対応できていたと思うが、戦略的に長期的に考えることはなかった。だから目指す地点が見えてないし、それに向かったアドバイスではないのでポテンシャルが最大化されにくい。とはいえなかなか言語化の機会は得られないので、こういうWSのような場をきちんと取りに行くことが超大事だと実感した。

②自分自身も俯瞰して、一つのリソースと捉えて成長戦略を立てる。

「自分の成長とかって向き合いづらいし、特性とかも自己判断してしまうと危険だなと思うのですが…」という質問に対する吉田さんの回答がこれだった。

吉田さん:
・自分が何やりたい、ではなくて自分を俯瞰して「この人はどう思っている人なんだな」と認識する。
・自分を俯瞰して自分すらもリソースと捉えて長期的に幸せになる仕組みを設計する。そうすると感情が抜ける。それができると他の人にできるようになる、自分も相手も関係なく。
・適正・才能に関してはスペシャリティを持った方がいい。でも、今自分に何が特性があるのかわからない時にはスペシャリティを持つのも大事だけど経営者を目指した方がいい。あなたの力を最大化するための可能性を大きくする。レバレッジが効く。スペシャリティを掛け算していく。経営者はジェネラリストなので適性に寄らない。

③マネジメントは期待しすぎない。期待しないけど、100%向き合う。

学生インターン組織をまとめる中で、「学生はいろんなチャンスが多くて、目移りしがち。うまく体験学と成功体験を積んで残ってくれる設計がしたい」という悩み相談をしたことに対する吉田さんの回答。

吉田さん:
・細かい技とかは色々あると思うけど、アジェンダの工夫でいくらでもモチベーションを与えるのはできると思う。
例)
x トイレの備品買っといて
o トイレの備品がなくならない仕組みを作って

・一方で、期待しすぎない。そんなもんだな、と思っているので期待しすぎないというのが大事。インターンをやめちゃうのは確率論的には普通のことであるから、それを一人一人に期待しない。一生懸命やるけど、ダメだったらしょうがない。執行役員に対する期待と違う。10与えるから20返して、とか期待するのは少し違う。10与えて1でも2でも返ってくるかな、くらいの期待値でありつつも、10向き合うのが大事。

今日の記事はここまで!
マネジメントについてもきちんと言語化しないとぼやけたままでなあなあになってしまうなと思った会でした。

POLでは理系学生向けキャリア支援サービス「LabBase」を運営しています。 https://compass.labbase.jp/