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人間が手で作るものには、その人の魂が込められる
まずは、本題に入る前に、一言。
一体どこに行ってるんだ観光客の皆さん!!!!
と、いう事で、閑散期のカンボジア。毎年この時期は来客数もググッと減るのですが、今月はまずい。本当にまずい。焦ってます。私。
カンボジア観光統計報告書によると、2024年上半期のカンボジアへの訪問客数は約315万人。予想よりも多くの観光客が来ているそうで、今年はコロナ前の2019年の統計660万人に迫る勢いらしい。。
カンボジアの染織り ラックの赤
「自然は常に変化し、自然を相手にしている私達の仕事は本来マニュアル化することは出来ない。」
と、いう事でここでは主に、「染め」について書いていこうと思う。というのも「染め」は布の仕上がりに大いに影響していると感じているからだ。また、布の種類や織りについては調べようと思えばネットで簡単に検索できるが、染めについては簡単に説明出来ない部分も多い。
カンボジア伝統絹織物において特に欠かせないのがラ
「カンボジアに村をつくった日本人」の「アシスタントだった日本人」からみえたこと
IKTTには様々な方が訪れる。京セラ創業者である稲盛和夫さんもその一人。森本に会いに伝統の森に訪問されたそうだ。
「伝統の森にはこれまでいろんな方に来て頂いております。経営の神様と言われる稲盛和夫さんも、そのお一人。私の本を読まれ、興味をお持ちいただき、現場を訪ねたいと思われた。お忙しい中で訪ねていただいたそのお心が嬉しく、とても励ましを頂きました。感謝」
(森本喜久男FBより)
稲盛さんが
黒く汚れた雑巾のような布
今回復元した布は、Morimoto collectionの中でも生地自体がとても薄くなっており、状態の悪い布。でも、その美しさと仕事の細かさは一際目立っていた。この古布についてのストーリーは森本さんから直接聞いていたので私自身知っていたが、改めて森本さんのFBを探したら、これについての文章が書かれていたので皆様と共有。
わたしの愛するクメール絣コレクションの古布のなかでも、思い出の一枚。
95年
IKTTにあの方が来たってよ
IKTTがカンボジアの超富裕層界隈で着々と有名になり始めたのはいつからか。考えてみればコロナが始まってからのような気がする。
2021年後半頃、文化芸術省から大臣が伝統の森とショップに来てくれた。その頃から経営者や著名人、ブライダル関係者などなど、少しづつその輪が広がっていった。今でも多くのオーダーが入っており、括り手のSOY SOKIANGやSEAK HOUY、CHHOMなどはオーダーの制作分
IKTTは「点」である
IKTTを設立するにあたり、わたしがミッションとしたのは
「カンボジアの伝統的な織物を、当時の技術を会得しているおばあ達の協力により復元しながら、現在の養蚕、織物産業の再生に寄与し、カンボジアの若い世代の織り手や専門家を育てていく」
ということであった。
(カンボジアに村をつくった日本人 P100より/白水社)
先日、シェムリアップのショップスタッフからSNSにUPされた一本の動画を見せられ
棺をのせたナーガ〜カンボジア版 死への準備〜
かろうじてまだ息はあるが、死にゆく準備が着々と進められていた。
伝統の森でお客様の料理を作っているペアの母親。彼女もまた職人。病気を患い、自宅と病院を行ったり来たりしていた。今回は2021年8月ペアの母親の最後の3日間の話。ご興味のある方はどうぞ。
※お婆→ペアの母親
※村人→伝統の森の職人
アチャー(祭司)が主導し様々な供え物を作る。村人達は慣れているのかアチャーからの指示で手際よくそれら
職人とブランドディレクターの溝
みなさん、ストライキを受けたことがありますか?笑
当時は笑い事ではなかったが、今思えば職人達から受けたストライキ的な態度がIKTTにとって良い未来をもたらせた事は間違いない。
森本さんが亡くなってから、順調に事が進んだ訳ではない。
当時、ずっと気になっていた事があった。仕事の音がどんどん聞こえなくなっていた。私の部屋は工房からとても近く、部屋の中でも仕事の音が聞こえる環境だ。しかし当時、糸グル
伝統とモダンの融合の危うさ
思わぬ事から新しい布が生まれる事がある。
新しいタテ糸をセットした織り手に呼ばれ織り機に向かうと、タテ糸に問題発生。少しだけ織ってもらうと、くっきりとストライプ状に模様が浮き出てきた。何色で織っても結果は変わらず、ストライプ状に模様が浮き出てしまう。
こりゃ、普通の布は織れないな。。。
これはちょっとした勘違いから発生した問題であり、普通は発生しないこと。起こってしまった事は仕方ないが、さて、
毎年3月満月に近い土日に開催していた蚕祭り
つまり、この法則でいくと今日が前夜祭。が、しかし、コロナ以降は蚕祭りは開催せず、映像や画像で皆様に楽しんでいただこうと毎年試行錯誤してきた。さて、今年はどうしようと色々考え、括り手と織り手を引き連れてアンコールワットへお礼参りでもするかと思い立ち、比較的軽い気持ちで当日を迎えた。撮影の為ではなく、あくまでも日頃の感謝を伝えるためのもの。
私がアンコールワットに到着した時には、すでに職人達は到着し