カープダイアリー第8348話「あくまで理詰めでなければならない」三原マジックを応用してWBC頂点に立った栗山さんが「夢は正夢」を演出できた訳(2023年8月14日)

NHK総合テレビで前日13日夜、「プロ野球マジックの継承者たちⅡ『WBC栗山英樹監督』」がオンエアされた。

 

侍ジャパンを指揮してWBC世界一になった栗山英樹氏(62)がジャパン監督就任から1年5カ月にわたって書き続けたノートを“初公開”。監督就任から“大谷翔平vsマイク・トラウト”のラストシーンまでをその“マジック”により演出、日本を頂点に導いたというものだった。

 

それにしてもさすがは「夢は正夢」を座右の銘とする栗山さん。あのゲッツーによって最高のガチンコ勝負が決まった瞬間に「ああ、物語が完成する」とエンディングをビジュアル化し「夢のエンディングはイメージ通り、最高のものとなった」と振り返った。

 

指導者は「夢」を持ち続けることが必要だ。


NHKはこの手のドキュメンタリーを得意としている。侍ブルーの森保一監督に関しても早くから密着取材してカタールW杯後に様々な特集を組んだ。


栗山英樹氏に関してもそうだ。すでに4月3日オンエアのスポーツ×ヒューマン「世界一へ導いた“マジック” 〜侍ジャパン・栗山英樹 監督〜」でもその“マジック”ぶりにスポットを当てている。


NHKのHPにはスポーツ×ヒューマンの番組内容について次のように説明している。


WBCで日本を優勝に導いた栗山英樹。大会前から名将・三原脩の秘伝ノートを読み込み、野球哲学を磨いてきた。三原の言葉は大舞台でどう生かされたのか。独自インタで迫る。

 

三原脩が己の野球哲学を書き記した「三原ノート」。「小さな掛け引きが勝利の決定的役割を果たす」「選手の性格は十人十色である。監督はこれを見抜かねばならない」。大会前もノートを読み返していた栗山。その哲学がWBCの采配でも大いに生きることになる。準決勝で村上が放った逆転サヨナラの一打、決勝でメジャー打線を抑え込んだ継投策…。勝利をたぐり寄せた栗山の“マジック”とは?

 

「プロ野球マジックの継承者たちⅡ」の中で栗山さんは「マジック」について「確率」の問題や「セオリー」への対処をやりつくした時に成果となることを強調していた。米国戦7投手継投などのことを指しているのだろう。栗山さんは“自慢話”はいっさいしない。

 

そして「見た目は奇跡でもやっている方は奇跡じゃない」とも話していた。三原マジックの継承者として、過去の遺産を未来につなぐ。おれが日本野球のためになると信じているから、だ。

 

カープは、新井監督はどうか?

 

この日、バンテリンドームナゴヤで7回4安打無失点の好投を見せたばかりの遠藤が出場選手登録を抹消された。

登板後に自分の感覚に近い投球ができたことに手ごたえを感じていた右腕がなぜまた別調整になるのか?は球団側からの情報発信がないため不明だ。

5月5日以来の登板で価値あるピッチング。通常では”離脱”は考えられない。故障、もしくは体調不良?あるいは阪神との3連戦に備えて中継ぎ陣を強化するのか…候補は松本竜也、森浦、塹江…

8月に入り、傍から見ればバタつく”上げ下げ”が増えた。

5日に一軍に戻っていた玉村はマツダスタジアムで巨人相手に7回2失点で翌日抹消。入れ替えで上がってきた河野佳は8・6炎上のあと10日に抹消された。

同じく8・6ありきだった中村奨成も7日に抹消された。替わりに上がってきたのが龍馬だ。

11日にはアドゥワが1か月半ぶりに一軍に合流。しかし1試合も投げずに二軍に戻った。

 

番組の中では、ひとたび後手に回れば取り返しのつかないことになるのが野球、ということも強調していた。もちろんリーグ戦と一発勝負のトーナメントでは戦い方は異なる。しかし8・6以降で一気に崩れた今回のカープの戦い方を見ていると、共通部分も多いと考えざるを得ない。

 

「あくまで理詰めでなければならない」

 

栗山さんが大事にする三原監督の教え、である。

 

中村奨成の一軍帯同や河野佳のピースナイター登板にはその理詰めさ、が感じられない。

 

台風が関西地方に接近する中、あすマツダスタジアムでは「まけたら阪神にマジック29点灯」の戦いが待っている。

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