カープダイアリー第8306話「本拠地が有利?田口vs秋山、サンタナ・オスナvsマット・ライアン」(2023年7月2日)

この3連戦で一番のチャンテが神宮球場レフトスタンドから沸き起こる中、1対4から追いつくか…マウンドにはここまで15セーブの田口。一死から右前打した野間が一塁。打席には秋山。
 
4月11日のマツダスタジアムでは3対4の九回二死一塁で“その”スライダーを秋山のバットが捉えてサヨナラゲーム…
 
今度はどうか?初球外スラはボール、インロー真っすぐ空振りで1-1。3球目の外スラにバットが何とか止まってボールのあと4球目のスライダーは当てただけの遊ゴロになった。ただ飛んだコースがよく内野安打、ツキはまだ残っていた。
 
一死一、三塁。一発出れば同点。どちらに転ぶかは最後まで分からない。交流戦で勝率5割を確保した時もそう、そのあとチームが6連勝をマークした時もそう、連勝が止まって2対3惜敗だった前夜もそう…
 
龍馬への初球の外スラはボール。受ける中村のミットは2球目アウトロー。だがストレートが真ん中寄りに来た。ボールの下側にヘッドを入れる得意の流し打ち。舞い上がった打球がレフトポール際へと伸びていった。
 
これを前の回からレフトに入っていた内山が、カープファンの歓声を切り裂くように一直線で追いかけてグラブを伸ばしてキャッチ、フェンスに激突してもすぐに起き上がり内野にボールを返してきた。
 
野間はゆっくりとホームに還り、秋山はハーフウェイから一塁に戻るしかなかった。抜けていれば二、三塁。続く坂倉でもう一度、得点圏に走者を送りヤクルトバッテリーにプレッシャーをかけて…とはならず最後はアウトローの真っ直ぐを坂倉が見逃し三振してゲームセットになった。
 
この3連戦の前日練習日。広島工の8学年後輩を迎える高津監督は「新井さんにやられっぱなしなので頑張りたい。ちょっとお返ししたい」と番記者らに話した。
 
“やられっぱなし”という訳でもない。神宮球場では開幕3連勝と高津監督にすれば最高のスタートとなった。ただ、そのあとのマツダスタジアムでの2度の3連戦は全敗となった。しかも1点差2試合、2点差3試合、3点差1試合。
 
今回は第1戦0対8完敗のあと連勝で本拠地での優位性がまた証明された。先の東北遠征、巨人2連戦が雨で1試合となり、余裕を持ってブルペン陣を投入できたのはヤクルトベンチにすればプラス材料だっただろう。
 
第1戦の三番手山本と四番手丸山翔、第2戦の木澤、星、石山、清水、田口のリレー、この日の石山、清水のリリーフ陣はいずれも無失点。要するにカープ打線は終盤の得意の巻き返しを封じられたことになる。
 
4カードぶりの負け越しにも新井監督は内山のガッツ溢れる守備を褒め、もちろん龍馬の一撃も「ナイスバッティング」と評価した。
 
一方で今季2度目の先発マウンドに上がった森については「ナイスピッチング」とはならなかった。
 
打者2巡目が課題となったのは勝ちがついた前回登板と一緒。四回、カープファンで埋まるレフトスタンドに飛び込むオスナの13号逆転3ランは見ているだけで相当のインパクトだった。
 
 
前日の大瀬良も初回、サンタナに3ランを許したからほとんどデジャブ。第1戦で坂倉と菊池が柵越えしたので、その分、お返しされたかっこうと考えて諦めるしかない?二軍調整が続くライアンはいつ、どんな具合で戻ってくるのか、長らく2割に届かないマットの打率はこの先急上昇するのだろうか…

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