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進撃の巨人と世界史


英検準1級の過去問で使われたあるエッセイに興味深い歴史認識に関するものがあった。「歴史は勝者によって書かれる」という刺激的フレーズから始まる。

ペリシテ人という民族は紀元前1100年頃、イスラエル・パレスチナのガザ地方の都市に定住していた起源不明の民族だ。ユダヤ民族と長年度々戦い、最終的に敗北しその地域の民族に吸収されたという。彼らのことは「旧約聖書などに描写され、ペリシテ人とは未開で好戦的民族というイメージが一般に定着している。

ペリシテ人の遺物は少なくてユダヤ人側の記録を裏付ける歴史的証拠となるものはあまりない。という学術的背景の中、ある考古学者がペリシテ人の墓地を発見した。そこで埋葬されいた骨に暴力的受けた傷はないのだ。さらには、人骨のそばに香水の瓶が置かれていたのだった。この歴史的証拠は彼らが野蛮な戦士の民族のイメージは大きくかけ離れている、と。

つまり、敵対するユダヤ人側の記録を歴史とするには客観性が疑われるのだ。という趣旨のエッセイだった。そう、私たちが俗にいう「世界史」とは勝組の側の記録の連続なのだ。

日本の学校で教えてる科目としての「歴史」も「勝者」側の記録であり、それは古来から各民族の領土の拡張・覇権争いの記録である(日本史もまったく当てはまる)争いの記録の更新は現在も相変わらずつづいている。いくらテクノロジーが発展しようとも、どのように社会システムが洗練化されたとしても、事態はそれによって解決されるどころかより複雑化しており、危機は一層深刻化しているようにみえる。


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「進撃の巨人」

ここでを紹介したい漫画が「進撃の巨人」である。(コロナ禍自粛期にアニメ版にドハマり、即漫画本を買いそろえました。)その理由は以下に書いたあらすじを読んで汲み取ってんでいただきたいのですが、端的に言うと、今、中東起こっていること、さらに今後、まさに世界に起ころうとすることと、が、この漫画史上、大傑作長編漫画でまざまざと描かれてるように思えてならないからです。さらにいえば主人公エレン・イエーガーはガザ地区のひとりの少年としてみなすことができるからです。

未読の人にはネタバレしてはいけないタイプの漫画なので、特にサスペンス的な部分(秘密の暴露)はあらすじに含んでおりません。できるだけ大筋にとどめておきます。ただ申し訳ないですがどうしてもギリギリな部分含んでしまうかと思います。

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「あらすじ」

巨大な壁に囲まれて暮らしている人々。彼らは歴史を知らない。ある者がある意図をもって民族の歴史の記憶消し去ったのだ。自分たち以外の人類は壁の外にいる巨人によって絶滅したと信じている。その民は巨大な壁に数百年守られている。壁を神と崇めている胡散臭い王政のもとに平和的に巨人の脅威の存在がないものとして暮らしているのだ。

ある日壁は壊された。巨大な壁の向こうから巨人の戦士が現れたのだ。鎧の巨人兵が壁を壊す。壊れた壁に獰猛な裸の野生の巨人ども(生殖器は持たない)どもが街になだれ込み住民を捕まえてを食べ始めるのだ。この街は幾重も構築された壁の一番外側の街は最下層の人民の居住区。内側の内側の都で王様と上流が暮らしている。巨人から助けを求めて人々はさらに内側に押し寄せ難民となるが壁の中の食料は限界があり食料をめぐって争い、差別がありここで命の選別がなされる。

ひとりの少年がいた
何より自由を求めおり、彼から自由奪おうとするもの対して激しい怒りを抑えられない少年。強襲の日母親を目の前で巨人に無残に食べられてしまう。この少年こそ主人公エレン・イエーガーだ。その後調査兵団取(ジャケット肩の自由の翼の紋章が象徴的)という巨人殲滅・捕獲調査するためにの部隊に入隊し仲間を作り巨人と壮絶に戦っていく。

あることで(これは運命なのでもある)エレンは巨大な力を持ってしまう。結果、エレンが「人類」の最後の切り札とされれしまう。しかし彼自身その力をうまくコンロトールできない。逆に「人類の救い」どころかエレンを奪取しようとする巨人兵士からエレンを守るために多くの調査兵団の兵士は死んでいくのだった・・。しかしエレンは次第に力に覚醒し進撃の巨人となる。多くの犠牲を経て、生き残ったわずかな調査兵団は壁の向こう、アルミンが言っていた海にたどり着く。だがしかし!!海の向こう、エレンたちが直面したその世界は残酷な「世界史」そのもだった!!

とっくの昔の滅びたと思っていた人類は存在し、その人類こそエレンと島の民族の真の敵と知り、彼は絶望してしまう。遠い神話時代から続く遺恨と憎しみと恐怖の連鎖。人類は自分たちにの平和で安寧な暮らしを追い求めるがゆえに戦争を止めない。止めることができない。

海の向こうの強大な帝国では民族的にはエレンの同胞は迫害・差別を受けながら収容区に暮らしている。が、彼らは帝国戦争で貢献すれば帝国が認める名誉市民になれるとして帝国に忠誠を誓い最前線で命を捧げているのだ。さらにエレンの住む壁の島に暮らす同胞であるはず人々を悪魔の民と多くのものが憎悪・敵視している。(とくに子供たちは教師や実の親からもそのように教育されている。)

エレンはある目的のため計画(この永遠に終わることない闘争の歴史に終止符を打つ)を強行しようとする。ついにエレンは世界を滅ぼすだけにの力を手にする。それは地鳴らしを起こすもので故郷の島以外の全人類を殲滅(駆逐)するものだった。そしてエレンは「地鳴らしを」発動するのだった・・・。
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「アメリカの世界史における転換期」

イスラエルのユダヤ人も、進撃の巨人描かれる巨大帝国内で蔑まれ差別を受けてきた民族のような歴史をもっている。いうまでもなくナチス政権によるホロコーストの歴史である・・。そう、、事態はそう単純ではないのだ。

昨夜BSの各局の報道特集でイスラエル・ガザで今起こっている事態について興味深い討論があっていた。今回の戦争によって超大国アメリカが揺らいでる。これ世界史の転換期を示すものではないか、と。これまでアメリカの代々の政権にユダヤ人の政治力と経済力は巨大でどんな時でもイスラエルを支持で、軍事技術・武器も無尽蔵に供給してきた。が、今回は状況が変わっている、と。

世界の秩序・民衆の命と財産を守るためのウクライナ支持とイスラエル支持は相反する。ダブルスタンダードだという批判が国内外から噴出している。アメリカ国内のユダヤ人(特に若い世代)の一部もイスラエルのガザへの攻撃(わずか数日で大阪程の人口密集地に6000発のミサイル攻撃などなど。)猛烈な批判。運動を展開している。ここで、若い人と先の大戦の記憶にあるひと(ユダヤ人の苦難の歴史)を記憶している世代で分断が起こってる、と。グローバルサウス(南米・アフリカ諸国)も、アメリカの自由主義・人権主義のダブルスタンダードに冷ややかな視線を送っている。

このまま戦況が長引けば世界中で反米・反イスラエルの怒りの焔がさらに激しく巻き起こるのではないか、と。ここに中国・ロシアとの対立が絡んでくると、世界は一層混迷していく・・・。 

日本はG7で唯一、この事態でイスラエル支持を表明しなかった国で、これは自分は正しかったのではないかと思うのですが・・・。(人質の邦人が含まれなかっとの理由だそうけど、もっと深いところでそれだけじゃないことがあると信じたい。)


エレンのフィギュアが見つからない・・・。

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長い間、列強国の都合で壁の中に押し込められ迫害されてきたパレスチナの人々。今まさに彼らが殲滅されようとしているのを毎日テレビ越しに目の当たりにしている。いつの日かそこにエレン・イエーガーが生まれ、「地鳴らし」を発動すやもしれん・・とそうなるとここ極東の島国の辺境も例外なく踏みつぶされるんだ・・と、退屈で平和な田舎町=居心地の良い閉塞感きわまる町に暮らす、しがない塾長の長~いつぶやきでした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


本日11月4日放映:アニメが完結する。未読・未観の方はできれば録画だけして必ず1話から観てください!! エンタメ・サスペンスとしても超一級の作品ですので!!)

https://shingeki.tv/final/onair/ 


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