音楽レビュー『MORNING SUN』岡田拓郎(2020)幅広い音楽性から紡がれる優しい音楽
出会いは Spotify からのオススメ
岡田拓郎は、Spotify から
オススメされて
はじめて知ったアーティストでした。
本盤に収録されている
④『Lost』を最初に聴き、
それがあまりにも
いい曲だったので、
思わずアルバムに飛び、
全曲聴いてしまいました。
そこからこのアルバムを
何度も聴き込んでいます。
まったく知らないアーティストに
ここまでハマるのは久々のことで、
Spotify のオススメも
捨てたものじゃないな
と思いました。
若くても非常に渋いサウンド
アルバムを通して聴いてみると、
そこで展開されるのは、
ギターを中心に据えた
渋めのフォークロック的な
サウンドでした。
なんとなく、
私が10代の終わりから
好んで聴いていた、
'70年代のはっぴいえんどや
細野晴臣に通じるものを
感じさせます。
もしかしたら、
私が知らないだけで、
ものすごくベテランの
アーティスのなのではと思い、
調べてみると、
'91年生まれということで、
私よりも全然若くて、
ビックリでした。
しかし、彼のインタビューを
読んでみると、
若いのに古い音楽を
よく知っているんですよね。
その中には、
やはり細野晴臣の名前も
出てきており、
Spotify がオススメしてきた理由が
ここではじめてわかり、
合点がいきました。
幅広い音楽性から紡がれる
優しい音楽
本盤は岡田拓郎の
2作目のソロアルバムです。
'12~'15年には、
「森は生きている」
というバンドで活動しており、
'17年にソロデビューしました。
森は生きているの作品は
聴いたことはないんですが、
彼の他の作品も聴いてみると、
音楽性は幅広いタイプのようです。
今年の8月に出た
3作目のアルバムは
本盤とも異なるサウンドで、
ジャズ寄りの作品になっています。
(細野さんも参加している)
duenn(ダエン)という
ユニットとコラボで発表された
アルバム『都市計画』('20)では、
アンビエントが展開されています。
前述したように、
本盤はギターを中心に据えた
フォークロック的なサウンドですが、
とにかく捨て曲が一切ないのが、
素晴らしいです。
どの曲も聴き応えが
似ているようでいて、
それぞれの個性があるのも
いいですし、
力を抜いたような、
優しい歌声もいいです。
①~⑦は普通に3~5分の
聴きやすい曲ですが、
ラストの⑧『New Morning』は、
10分を超える長尺で、
インプロビゼーションも
(即興演奏)
含めた聴き応えのある
曲になっています。
世の中は「頑張れ!」
みたいな鼓舞する曲が
多い気がするんですが、
圧迫感を抱いてしまうことも
あるんですよね。
それとは対照的に、
このように自然と
聴く者の心に優しく
寄り添ってくれる音楽が
私は好きです。
【作品情報】
リリース:2020年
アーティスト:岡田拓郎
レーベル:FAB TONE
【アーティストについて】
’12年、バンド・
森は生きているを結成。
’15年、解散。
’17年、ソロデビュー。
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