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資本主義にも問題点はある

「社会主義=悪、
 資本主義=善か?」
という疑問について書いています。

前回の記事では、
社会主義の国が最終的に
どうなったのか、

過去の記事も引用して
紹介しました。

社会主義の問題点は、
いろいろあると思うのですが、

一番の問題は、
「厳密な平等」は成り立たない
ということです。

実際、ソ連がそうだったように、
国民の多くが飢えに苦しみ、

上層部の人間だけが、
おいしい思いをするような
政策が行なわれていたのです。

それを予言したかのような
作品が先日紹介した
『1984』という小説です。

社会主義では、
政府がもっとも権力を持つので、
それに反するような活動は
ご法度になります。

資本主義のような
競争もありませんから、
産業の発展も望めないですし、

やってもやらなくても、
給料は同じなので、
国民の労働力も落ちます。

それでは資本主義は
完璧なものかというと、
それも違うでしょう。

まだまだ発展途上で、
改良の余地があります。

何かの間違いが
起こる可能性も高いので、
国民は意識的にそれを監視して、

場合によっては、
抗議をする必要があるわけです。

そういうわけで、
資本主義にも問題点は
あります。

もっとも恐ろしいのは、
「貧富の差」を拡大する
というものです。

この辺の実態については、
堤未果氏の著書
『貧困大国アメリカ』に
詳しく書いています。

『ルポ貧困大国アメリカ』堤未果
(2008)

アメリカというと、
華々しいところばかり
クローズアップされますが、

この本では、
その最下層にいる人々の
生活の実態について、
詳しく書かれているんですよね。

これは資本主義が
行き過ぎた結果です。

というのも、資本家というのは、
政府の介入を極端に嫌います。

なので、どんな事業でも、
「民営化が正しい」
という思想なのです。

ところが、そんな考えは
間違っているというのが、
この本を読むと
よくわかるでしょう。

例えば、アメリカでは、
日本のような国民皆保険制度が
ありません。

資本主義が正しい、
民間でやった方が発展するのだ、
という思想のもと、

というのは建前で、
実際のところは、

その保険の部分も
民間がやった方が、

資本家がおいしい
(利益になる)
と見込んだからです。

今の日本でも何かと
民営化が進んでいますね。

これはあらゆる事業から
政府の介入を取り除く、
極めて資本主義的な発想です。

ところが、
なんでも民間がやればいい
というものでもないんです。

実際、
『貧困大国アメリカ』を読むと、

民間がやっている
保険会社の対応は
ひどいものでした。

アメリカの保険会社は、
加入者がケガや病気で入院しても、
なんとか言い逃れをして、

実際には保険料を
負担してくれないことが
ほとんどなんだそうです。

つまり、月々の
支払いはしているのに、

いざと言う時には、
保険会社が損をしないような
やり方をするという話です。

日本でも保険制度の見直しが
取りざたされることがありますが、
これもアメリカのケース
と同じです。

実際には力のある資本家が、
自分たちの利益のために
政策を変えようと
政治家に働きかけているだけです。

それが正しいと思う人は、
『貧困大国アメリカ』を
読んでほしいです。

その貧困層の割合というのも、
決して低いものではないんです。

資本主義に傾倒し過ぎると、
必ず、国民の多くが
貧困に向かうことになります。

それは資本を持っている人が
「ビッグブラザー」に
なるからです。

小説『1984』やソ連では、
政府がビッグブラザーでしたが、
資本主義も行き過ぎると、
資本家がビッグブラザーになります。

その辺のことについて、
次の記事で書いてみましょう。

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