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ヨジジュクゴン(8)鶏鳴狗盗

漢字検定準1級に出題される
難しめの四字熟語について、
解説していきます。


今回紹介するのは、こちらの四字熟語です。

鶏鳴けいめい狗盗くとう

意味:くだらない技能しか持たない人のたとえ
用例:スイカの早食いも鶏鳴狗盗とはいえない

いつものように分解して
意味を考えてみましょう。

分解すると、それぞれの熟語は
以下のような意味です。

「鶏鳴」ニワトリが鳴く
「狗盗」犬のように盗む

それぞれ異なる意味の熟語を
組み合わせた四字熟語ですね。

「鶏鳴」は読んで字のごとく、
わかりやすいですが、

「狗盗」の方がピンとこないので、
一字ずつに分解してみましょう。

「狗」いぬ
「盗」ぬすむ

「狗盗」は「犬」が「盗む」
という主語+述語の熟語なんですね。

「狗」といえば、
「天狗」なんかを思い出すのですが、

調べてみると、
「天狗」は「天の犬」という意味の
言葉だったそうです。

「天狗」という言葉が生まれた
中国では、流星や彗星の形が
犬(狗)や狐に見えたことから、
「天狗」と名付けたそうです。

それが日本にも伝わって、
妖怪の名前になったんですね。

……その前に、そもそも「犬が盗む」が
ピンとこないのですが、

犬が人の家に忍び込むのが
うまいことから
「盗む」イメージができたようです。

日本だとどちらかというと、
犬よりも猫の方が
「盗む」イメージがありますよね。

「泥棒猫」なんて言葉もあるくらいですし。

きっと、犬にも似たような
イメージがあったということなんでしょうね。

つまり、「鶏鳴狗盗」は、
ニワトリが鳴いたり、
犬がものを盗むように、

「取るに足らない特技しかない人」を
指す言葉なんです。

なかなか手厳しい表現ですね。

しかし、さらに調べてみると、
「鶏鳴狗盗」には

「どんなにくだらない特技でも
 役に立つことがある」
という意味もあるようです。

そうですよね。

この世にまったくなんの役にも
立たないものなんてないと思います。


【参考文献】

*  *  *

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