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日本語ってすごいよ

最近、こんな本を読んでいます。

言語学者・金田一春彦氏が
’01年に書いた本です。

金田一春彦氏(Wikipedia より引用)

金田一春彦(1913~2004)
国語辞典などの編纂に
関わったことで知られる

この本によると、
日本語というのは、
発音がシンプルで
「わかりやすい」という
特徴があるそうです。

日本語の発音は、
112種類あります。

発音というのは、
「あ」「い」「う」とか、
「きゃ」「きゅ」「きょ」
といった音声情報です。

すべての日本語は
これらの112の音声から
できているんですね。

これがシンプルだと言っても、
他の言語との比較がないと
ピンとこないでしょう。

例えば、世界でもっとも
使われている英語は、
発音の種類が膨大で、

欧米の研究者でも、
その種類を数えるのを
諦めてしまったそうなんですね。

それでも、探究心旺盛な
日本の学者さんがいて、

英語の発音が全部で
いくつあるか
数えた人がいました。

結局、その方も
英語の発音を数え切る前に
亡くなってしまったそうで、

その方が亡くなる前に
著者にくれた手紙には、

「どう少なく見積もっても
 3万はある」
と書かれていたらしいです。

つまり、日本語と英語の
発音の種類を比較すると、

日本語:112種類
英語:3万種類以上

このように大きな差が
あることがわかりますよね。

さらに、日本語がすごいのは、
この112種類の発音が

すべて「仮名」という
シンプルな文字だけで
表現できるところです。

つまり、
平仮名や片仮名を覚えれば、
あらゆる音声情報を
記述することができるわけです。

われわれ日本人にとっては
当たり前のことに感じますが、
これも英語と比べると、
とんでもない違いがあります。

例えば、日本では
小学校低学年の児童でも、

平仮名や片仮名を
1年生のうちに一通り、
マスターしてしまいますね。

つまり、日本では、
教育を受けはじめたばかりの
子どもでも、

聴いた言葉を「音」として、
すべて文字で表すことが
できます。

ところが、英語圏の学校では、
こうはいきません。

アルファベットも
仮名と同じく
「音声情報」のみを記述する
記号に過ぎませんが、

(アルファベットや仮名の
 文字自体には意味がない)

英語では単語を
アルファベットごとに
認識する文化がありません。

そのため、
聴いたことのある単語でも、

どのように記述するか、
スペルを覚えなければ、
綴ることができないのです。

なので、日本の小学生は、
仮名を一通り覚えれば、
どんな言葉でも
記述することができるのに、

欧米では、学校で習った
単語のスペルを覚えなければ、
文字で記述することすら
できないんですね。

これはとても大きな差です。

先ほどの
「英語では単語を
 アルファベットごとに
 認識する文化がありません。」

という文にピンとこない方も
いると思われますので、

次の記事では、
その辺りのことについて、
書いてみます。

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