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90年代に一世を風靡したビーイング系ヒットの秘密

オススメの新書10選」で紹介した
『コンテンツの秘密』の中に
こんな話がありました。

ドワンゴの創業者である著者が
「人生の中でもっとも影響を受けた一人」
として本書の中で紹介しているのが、

ビーイングの音楽プロデューサー、
長戸大幸(ながとだいこう)でした。

ビーイングは’90年代に
ZARD、T-BOLAN、WANDZ
などのアーティストを次々に
大ヒットさせた音楽事務所です。

本書によれば、
長戸プロデューサーが

「楽曲制作」において、
特に注意を払ったのは、
「声の聞き取りやすさ」
だったそうです。

歌の上手さ、声の魅力
といった要素も
大事ではあるけれども、

「聞き取りやすさ」は
訓練ではなかなか上達しにくい
天性のものが大きいらしく、

さらに、それが楽曲の中で
「もっとも重要だ」と言うのです。

著者が長戸プロデューサーに
聴いたところでは、

「声の聞き取りやすさがなければ、
 いくら魅力的な歌詞を付けても、
 聞いている人に伝わらない」
ということでした。

当時は、CD の売り上げが
全盛期に達する頃で、

みんながこぞって
ヒットチャートに並ぶ楽曲の
CD を買い漁っていた時代です。

その頃の多くの人たちの
「CDを買う動機」は、
「カラオケに行った時に自分が歌うため」
でした。

そのためにも
「声の聞き取りやすさ」が
重要だったわけです。

さらに、長戸プロデューサーが
音の調整において、重視したのは、
「ボーカルの音量を上げる」ことでした。

そうすることによって、
音楽に興味がない人でも
街中で曲が流れていた時に、
ボーカルの声が聴こえるようになるからです。

本書では
「わかりやすいものは美しい」
という定義のもと、

その一例として、
このエピソードが紹介されていました。

ここまで書いてきて、
私が本当に書きたかったことは
まだ書けていないのですが、

長くなってしまうので、
次の記事に改めます。

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